フリービットは6月8日、2009年4月期の通期連結決算および2012年までの中期経営計画「SiLK VISION 2012」を発表した。IPv6技術と仮想化技術を組み合わせた基盤上を活用してサービスを拡充し、海外展開も強化する。
2009年4月期の業績は、2007年に買収したドリーム・トレイン・インターネット(DTI)の業績が通期で加算されたことや、ISP事業者向けのネットワークサービスが堅調に推移したことなどから、売上高が前期比33.4%増の107億6700万円、営業利益は同84.5%増の15億7500万円、経常利益は同116.6%増の15億2200万円、純利益は同164.8%増の16億7400万円となった。ただし、新規事業の立ち上げの遅れから、売上高と営業利益は当初の予想に届かなかった。
石田氏によると、同社はソニーのように「創業50周年で売上高5兆円」という企業体になるのが目標だといい、そのためにも今後年率15.5%で成長していく方針だ。ISP事業者などの買収と、同社のプラットフォームを活用したサービスの拡大、海外展開の強化などにより、3年間で売上高300億円、経常利益45億円を目指す。
プラットフォームについては、同社のネットワーク基盤を使ったクラウド型のシステムを採用。これを使って、PBX機能を同社のデータセンターで管理、運用する「IPビジネスホン」や、ユーザーのPCや携帯電話、家電などをネットワークファイルサーバとして公開するアプリケーション「ServersMan」などを提供していく。
海外展開については、「1カ国で100万人のユーザーを獲得するのは難しいが、1万人のユーザーを100カ国で獲得するのであれば難しくない」(石田氏)と話す。中国では、同社のパートナー企業である北京天地互連(BII)が中国国内23個所でVPN事業を実施できるライセンスを4月7日付で取得したといい、フリービットはBIIに対して技術提供するほか、IPv6ベースのアプリケーション開発などで協力する。6月下旬から中国において、法人向けのVPNサービスなどを展開する予定だ。
なお、フリービットは同日、ServersManをバンドルしたビデオカメラ「ServersMan Scooop by EXEMODE」がエグゼモードから発売されることも明らかにしている。動画を撮影し、内蔵されたUSBプラグを使ってPCに接続すると、自動的に動画がウェブ上に公開されるという機器だ。カメラは130万画素で、価格は8000円前後となる見込み。動画を手軽に撮影して公開したいというニーズに応える商品だとしている。7月下旬発売予定だ。
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