財務問題に直面するソーシャルネットワークImeemで、最高マーケティング責任者(CMO)のSteve Jang氏が辞任した。
Imeemの広報担当Matt Graves氏は、Jangの退職はしばらく前から予定されていたもので友好的なものだとし、事業開発部門も率いていた同氏は戦略的助言者として今後もImeemとの関係を維持すると述べた。Graves氏は、Jang氏の退職の理由として「何か新しいことを始める」ためだとしたが、それが何かは明らかにしなかった。
Jang氏のほかに、同社の西部地区広告販売担当バイスプレジデントも辞任した。同幹部も退職が予定されていたものだった、とGraves氏は述べている。Graves氏によると、Imeemはまた、事業再編の一環として6人の従業員をレイオフしたという。同社は、サービスの収益化を急ぎたい意向だ。
Imeemは楽曲を利用者のPCに無料でストリーム配信し、広告販売で事業を維持することを目指してきた。
ニュースブログAll Things Digitalの報道によると、同社の事業再編は、Imeemが事業を維持しようと奮闘し、投資家と一部大手レコード会社に対して経済的な支援を求める中で行われたものであり、一部の投資家とレコード会社は、新規取引に応じているという。
Imeemは、2009年に入ってから事業を停止したRuckusとSpiralFrogに続き、困難に直面する広告収入モデルによる音楽配信サービスでは最新の動きとなる。
この分野の不振を説明する理由はいくつかある。大規模な不況により広告市場が急速に縮小したためという意見は聞かないが、大手レコード会社が保有する曲の使用料が高すぎるとする見方はある。特に、いわゆるペニーパープレイ料金制は、広告収入モデルを採用する新興企業には高すぎるという批判がある。
Imeemがレコード会社に財政的援助を求めるのは今回が初めてではない。Graves氏は米国時間3月23日、米CNETが掲載した記事で、複数のレコード会社を説得して、Imeemと経済的条件を再交渉することに成功したと認めている。この交渉に近い音楽業界の消息筋によると、それらレコード会社は数回にわたりImeemに経済的優遇措置を与えたという。
All Things Digitalの報道によると、今回は一部の大手レコード会社がためらっているようだという。
Warner Music GroupはImeemにより良い条件を与えることを拒否した。ImeemがWarnerの楽曲へのアクセスを失った場合、利益を生み出すという同社の課題がより厳しくなるだろう。同社の競合企業の多くがWarnerの楽曲ライブラリを提供している。
多くの人々がImeemの困難の原因を音楽業界であるとして非難している。しかし音楽業界の情報筋は、複数の大手レコード会社がImeemの経営陣による仕事ぶりを好ましく思っていなかったと述べる。複数の大手レコード会社は、MySpace MusicやBeboなど、Imeemの競合企業の一部が広告収入モデルで音楽から収入を生み出すことをより上手にやっていると述べる。
今後事態を見守る上で興味深いのは、Imeemがサービス課金でどれだけ積極的になれるかということと、同社の支持者がどう反応するかということである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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