米国時間3月2日、ダウジョーンズ工業株平均がついに心理的節目である7000ドルを割り込んだ。投資家らは、世界恐慌時の暴落との比較を知りたがっているかもしれない。
現況をいうと、これが芳しくない。
ダウ平均は2007年10月11日に14279.96ドルの高値を付けてから、2日の取引時間中に6779.62ドルの安値を付けるまで52.5%下落した(更新情報--米国時間3月2日午後1時16分現在:2日の終値は6763.29ドルで、2月27日の終値から300ポイント近く下落した)。
1920年代末の1年5カ月に及ぶ同様の期間を見ると、今回の暴落はまさにデジャヴュ(既視体験)だ。
今回のダウの下落率は、世界恐慌時のそれに匹敵する。
ダウは1929年9月3日に381.17ドルの高値を付けたが、今回とほぼ同期間経過後の1931年1月2日に高値から54.7%安の172.36ドルまで下落した。
「人々がミラーイメージを持ってしまうと非常に厄介だ」と語るのは、RBC Dain Rauscher & Jamesの市場ストラテジストPhil Dow氏だ。
2日のダウの下落に拍車を掛けたのは、IBM、Hewlett-Packard(HP)、Microsoftなどの大手ハイテク株の値下がりだ。IBM株は3.17%安の89.10ドル、Hewlett-Packard株は3.72%安の27.96ドルまで下落した。また、Intel株も日中に2.43%安の12.43ドルまで下がり、Microsoft株も1.80%安の15.86ドルまで下落した。
ダウがこのまま世界恐慌時の下落率に追随し続ければ、底値に達するまでに、さらに1年4カ月かかることになる。ダウは1932年7月に高値から89%安の42.22ドルまで下落した。
RBCのDow氏は、現在の市場停滞と世界恐慌時のそれとは異なる点があると考えているという。
Dow氏は「現在は、世界各国の政府主導の景気回復の可能性がある」と述べた上で、次のように続けた。「これは資本主義の終焉ではない。いつか住宅市場が底入れすれば、人々は再び車を買い始め、在庫も一巡する」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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