日本Androidの会が9月12日に発足して活動を開始した。同会は、携帯電話向けOS「Android」を国内で普及、発展させ、新たなビジネスが創造されることを目指している。
同日に開催された発足式典では「日本Androidの会」会長に就任した早稲田大学大学院 客員教授の丸山不二夫氏が、Androidがオープンソースであるとともに、Googleが推進しているクラウドコンピューティングによるサービスの媒介となる端末と位置づけられる点が重要であると強調。Androidが組み込みソフトの標準となる可能性を指摘し、携帯電話の領域を超えた経済効果があるとの見解を示した。
基調講演の冒頭で丸山氏は「携帯電話の世界で大変動が起きている」と述べた。
AppleやGoogleの参入だけではない。端末の世界市場でシェアの4割を占めるNokiaがSymbianを買収し、即日、OSをオープンソースとする考えを明らかにするなど、この分野にオープン化の動きが始まっているのだ。「自分たちの手で携帯電話をつくれるかもしれない。おもしろい状況になっている。これまでにこういうことはなかった」(丸山氏)。
クラウドコンピューティングは、いわば雲の上にさまざまな情報やコンテンツがあり、それをエンドユーザーが取り出して利用するというしくみだ。「最近ではMicrosoftもクラウドによるサービスの充実化に努めている。Googleの場合、検索やメール、ドキュメント作成や表計算など多くのアプリケーションに加え、カレンダー、地図などのサービスを用意している」(丸山氏)。
iPhoneを擁するAppleは、「iTunes StoreとApp Storeしかない。クラウドでいえば、Googleのサービスは巨大であり、両者の差は開いている。iPhoneと、Androidによって実現する端末を比べると、機能やネットワーク環境はそれほど差がない。しかし、オープン性とクラウドとの関係という点で、立ち位置が異なる」(同)。
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