松下電器産業は9月16日、社名を10月1日より「パナソニック株式会社」へと変更する。ブランドの統一にともない、今後のブランド戦略や白物家電製品の新ラインアップなどに関する説明会を開催した。
松下電器産業の社長である大坪文雄氏は、「松下電器産業の大坪と紹介する最後の機会となる」と挨拶を切り出した。創業90周年の節目となる今年、看板の掛け替えなど、約400億円を投じてブランド統一を図る。
「これまで、AVC家電、白物家電、キッチンやバスなど分散していたブランドを統一し、パナソニックという価値を1つに結集したい。本当にブランド統一はよかったことなのか、成功と言えるのか。その正義を皆さんから問われることになると思う」と語った。
新たな商品作りのコンセプトとして、「超・繋がる」「超・省エネ」「徹底したユニバーサルデザイン」を軸に、商品やデザイン、マーケティングを変えていくという。「これからも経営理念は変わらないが、マーケティングや製品は変革していく。ビエラリンクに代表されるリンクも、家の中だけでなくドアホンからケータイに知らせるなど家の外ともリンクさせていく」と松下電器副社長の牛丸俊三氏は説明した。
家庭では、テレビなどのAVC家電、白物家電、キッチンやバスなどの購入平均単価は、すべて合計すると292万円になるという(2007年度の小売物価統計による東京、大阪、名古屋3地区の平均数値)。乗用車の平均は228万円であり、自動車1台の平均よりも単価の高い家電は、家計にとって自動車よりも大きなインパクトを持っている。それがナショナルからパナソニックに変われば、白物家電でシェア3割まで手が届くと説明した。
また、家庭内での消費電力は、エアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビなどのアプライアンス商品が約6割を占めるという。「パナソニックといえば超省エネと言われるようにしたい」と牛丸氏は言う。
今回新たに投入された家電製品は、肌のうるおい機能が付いたエアコン、冷凍スピードが従来比3倍の冷蔵庫、洗浄力が15%アップしたドラム式の洗濯機、といずれも最新機能を取り入れながらも省エネNO.1をうたっているもの。パナソニック独自の技術とデザインで、高付加価値の商品を拡充していく考えだ。
さまざまな価値観や空間にフィットさせるため、家電は定番のホワイトだけでなく、新たにブライトシルバーやマホガニーレッドなど、高性能や高品質を表現する色、上質なプレミアム感のある色も投入した。
目標シェアは、高付加価値タイプのエアコンで40%、ドラム式タイプの洗濯機で40%、401L以上タイプの冷蔵庫で30%、サイクロン式の高付加価値タイプの掃除機で30%。
なお、今回のブランド統一に伴い、商品を梱包する段ボールなども同じデザインに変更する。現在、ウェブサイトも「national.jp」と「panasonic.co.jp」など複数のドメインが存在するが、すべて「panasonic.jp」に統合していく。水戸黄門などで知られる昭和31年から続いてきたテレビ番組「ナショナル劇場」も「パナソニックドラマシアター」へ名称変更する。ラジオ番組「歌のない歌謡曲」も同様に、「パナソニック歌謡曲」へとなるという。
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