テクモ、コーエーと合併に向けた協議へ--スクエニの提案には「賛同せず」

永井美智子(編集部)2008年09月04日 22時08分

 テクモは9月4日、コーエーと合併に向け、協議を開始したことを明らかにした。同社はスクウェア・エニックスからの友好的株式公開買い付けの提案を受けており、9月4日の回答期限が迫っていた。

 両社は「経営統合委員会」(仮称)を設置し、統合に向けた議論を進める。両社では今回の件について、「有能な従業員の確保、安定した開発環境の確保、両ブランドの維持発展から考えた場合、さらにこれまでの両社の創業者の親交もあり、経営統合することによって両社それぞれの個性を尊重し、社員が十分に能力を発揮できる環境を整えることで、一層の飛躍が期待できると思っている」とコメントしている。

 なお、テクモが8月29日にスクウェア・エニックスから受けた株式公開買い付けの提案については、「社内の幹部クラス、クリエイターをはじめ、幅広く従業員からも意見を集め、当社収益の源泉である有能な従業員の確保、安定した開発環境の確保、ブランドの維持発展の観点から検討した結果、他により企業価値向上の実現性の高い選択の可能性があることから、本提案に賛同するには至らなかった」(テクモ)とコメントし、スクウェア・エニックスよりもコーエーを選んだことを明らかにした。

 この件に関してスクウェア・エニックスは、テクモの取締役会から同日、「役員、従業員一丸となって、今後ともこれまで培ってきたテクモの企業文化を堅持し、『遊び』を世界に発信し続けることで、当業界のさらなる発展に貢献してまいる所存」との理由で提案に賛同しないとした書面を受領したことを明らかにした。

 現在、スクウェア・エニックスでは以下の3点をテクモに照会しているとのこと。その回答を待って、今後の対応を決定するとしている。

  • テクモの取締役会が賛同しなかった理由は、コーエーとの経営統合に向けた協議を決定したためか
  • そうだとした場合、コーエーとの経営統合の条件(統合の態様、統合の前提となる株価、統合比率など)がスクウェア・エニックス案よりもテクモ株主にとって有利であることを具体的に示して欲しい
  • そうでない場合、スクウェア・エニックス案よりもテクモ株主によって有利である代替案を示して欲しい

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