Dellは、自ら計画したスケジュールよりも5カ月早く、正式にカーボンニュートラル企業になったと発表した。
Dellの自社施設のエネルギー効率の向上に加えて、「グリーン」電力の購入と米国、中国、インドでの風力発電への投資合わせて6億4500万kWh分により40万メートルトンの二酸化炭素排出を削減し、目標を達成した。
Dellはグリーンエネルギーに年間30億ドル投資し、4年間でグリーンエネルギーの消費量を約10倍の1億1600万kWhに増やした。
Dellの地球環境、健康、安全担当ディレクターであるDane Parker氏は、目標達成は、Dellの省エネルギー、リサイクルなどのエコ活動に関する長年のポリシーによるものだと述べた。
Parker氏は、目標達成を、「地球で最も環境に優しい技術企業になるという取り組みにおける大きな一歩であり、業界他社だけでなく、地球上のすべての業界を指導する立場を確立する」偉業だとたたえた。
さらに、「エネルギーには、コスト、持続性の問題があり、将来も競争力を維持するためには、グリーンエネルギーの安定した供給が必要だ。そのため、Dellは地球全体でこれを実現するために努力していく」と付け加えた。
しかし、Dellの鳴り物入りの発表に対し、一部から疑惑の目が向けられた。ビジネス、IT調査会社であるQuocircaのClive Longbottom氏は、「現実には不可能にもかかわらず、いくつもの企業がカーボンニュートラル化を達成したと主張するのは本当に悩ましい」と述べた。
「そういった企業が、社員全員の通勤や亜鉛の採掘にまでさかのぼって、コンピュータの製造に使われるすべての原料を考慮に入れているのか、疑問に思う必要がある」(Longbottom氏)
Longbottom氏はさらに、「カーボンニュートラルには多くのごまかしがある。コンピュータ企業は、コンピュータ内部の有害物質の削減やコンピュータの消費電力の削減に対する近年の進展に焦点をあてるべきだ。このような大きな主張をすれば、企業は自ら再び打撃を被ることになる」と述べた。
さらに、Dellは、マダガスカルの熱帯雨林59万1000エーカーを保全するため、Conservation Internationalと提携したことを発表した。このプロジェクトにより、今後5年間で大気中に放出される二酸化炭素の量が50万メートルトン削減されると期待されている。
また、このプロジェクトでは、マダガスカルにのみ生息する世界で最も希少な霊長類2種が保護される。
Conservation InternationalのToby Jansen Smith氏は、Dellとの提携を歓迎し、気候変動に取り組むこのプロジェクトの重要性を強調した。
「熱帯雨林の破壊による温室効果ガス排出量は全体の20%を占めており、自動車、トラック、飛行機を合わせた排出量よりもずっと多い」(Smith氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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