Appleは、Mac OS XがプレインストールされたApple未承諾のデスクトップPCを製造販売するPsystarを提訴し、16ページに及ぶ非難を列挙したが、その内容は、結局のところ予想された通りの展開に落ち着いた。Psystarが行ったことには、なんらそのようにする権利がなく、販売差し止めおよび罰金支払いを命じられるに値すると、Appleは主張している。
CNET Newsが入手した訴状のコピーによれば、Appleは今回の訴訟において、著作権侵害、著作権侵害行為の誘因、商標権侵害、さらには他のいくつかの法的要求を争点としている。Psystarが「Open Computer」の販売によって得られた、あらゆる売り上げに加え、意図的な侵害行為に対する3倍の賠償金、製品販売の恒久的な差し止め命令、すでに販売されてしまった製品のリコールなどが、Appleの要求に含まれている。
「Appleは、Appleが認可したハードウェア上に限って、Macintoshオペレーティングシステムソフトウェアの使用を許可している」と、Appleは説明しており、フルバージョンのMac OSを入手する唯一の方法は、(Appleが販売する)新しいマシンの購入時に限定されるとも付け加えた。Appleは、ソフトウェアパッケージ製品に関しても、あくまでもアップグレード版のみが提供されており、既存のAppleブランドのMacintosh製品のアップグレードに限り、利用が許可されていることも明示している。
Mac OSのコピーと一緒にOpen Computerを販売することで、Psystarが、Appleの著作権を侵害するとともに、その購入者までAppleの著作権侵害行為に加担させていると、Appleは非難した。
Psystarの侵害行為は「意図的で、悪意があり、Appleの保有する権利を、それと知りつつ無視し続けている」と、Appleは訴える。また、Appleの商標が使用されているため、AppleとPsystarとの間に何らかの関連があるのかどうかに関して、「確かとまではいかないものの、混乱や誤解を招く可能性が高い」としている。
あるPsystarの従業員は米国時間7月15日、CNET Newsに対して、今回のAppleの訴訟に関するコメントは、現在のところ一切出されていないと語った。
しかしながら、Appleは、これまでにPsystarの経営陣が、Appleのソフトウェアライセンス契約と契約条項の存在を認識していることを示す公式声明まで出してきたことを問題視している。
今回の侵害行為は意図的なものであるため、3倍額の賠償金の請求が妥当であるとの見解も、Appleは明らかにした。
本訴訟の事実関係などを調査するため、10月には最初の会合が予定されている。
カリフォルニア州ウェストビレッジに本社があるSoCal IP Law GroupのMark A. Goldstein弁護士は、Appleの主張は「勝利が確実な」内容に思えると話した。
Goldstein氏は「Groksterの訴訟を参考にするならば、(Psystarにとって)なんらかの勝ち残れそうな弁護を展開することすら難しい状況である」とも語っている。
「もしPsystarが、OSなしで、あるいはUbuntuやWindows XPのみを搭載したハードウェアの販売を行っていたならば、訴訟の展開も、まったく異なったものとなっただろう。Psystarは、なんら著作権を侵害しない、相当な利用目的があると主張することもできたはずだ。つまり、ハードウェアメーカーや再販業者は、複数のオペレーティングシステムが稼動するコンピュータを販売する権利があるとも主張できただろう」(Goldstein氏)
「だが、PsystarはAppleのOS搭載製品のみを販売しているために、直接的また間接的に著作権侵害行為をしているとの非難にさらされざるを得ない」と、Goldstein氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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