うわさには何度も上っていたが、シリコンバレーの伝説的人物Marc Andreessen氏が、Facebookの取締役に加わることになった。Facebookは米国時間6月30日午後のプレスリリースで、ベテラン起業家のAndreessen氏が4人目の取締役になると発表した。同氏はNetscape Communicationsの共同設立者であり、AOLの最高技術責任者(CTO)を務めたことがあり、現在はソーシャルサイトNingの共同設立者となっている。ほかに取締役は、Facebookの設立者であるMark Zuckerberg氏に加え、当初からFacebookに投資しているAccel PartnersのJim Breyer氏とFounders Fund and Clarium CapitalのPeter Thiel氏の2人がいる。
プレスリリースでZuckerberg氏は「業界のリーダーであるAndreessen氏を取締役に迎えることができて幸せだ」と述べている。
驚くようなことではないが、Zuckerberg氏(24歳)はAndreessen氏に、映画「スター・ウォーズ」のオビ=ワン・ケノービ的な活躍を期待している。「Andreessen氏は、多くの意味でFacebookに必要な経験を持ち合わせている。異例の成長を遂げつつある企業の規模の調整、成功する技術プラットフォームの作成、強力な技術組織の構築といったことだ。Andreessen氏は私とFacebook首脳部のすばらしい指導者になるものと確信している」と、Zuckerberg氏は語る。
おそらく一番興味深いのは、FacebookのプレスリリースでNingについて、「Facebookを補完するプラットフォーム」と書かれている点だろう。Zuckerberg氏がAndreessen氏に取締役就任を求めているといううわさが出始めたころ、批判的に見る人々のなかには、そうなればライバルとなるであろうサービスの共同設立者兼会長として、利害が衝突するはずだという議論があった。しかし、Ningは古いタイプ(1998年ごろ)のディスカッションフォーラムがWeb 2.0的に衣替えをしたとでもいうべきもので、メンバーが作っているのは、議論を中心に据えた範囲の狭いニッチなコミュニティーだ。一方のFacebookは大多数にとって、アドレスブックの21世紀版といえる。きわめて効率のよいものになってはいるが、中核にあるのは、興味が共通するグループの活性化というよりは、コネクションの管理だ。例えば、Facebookにも「グループ」機能はあるが、Ningと比較すると必要最低限のものでしかない。
また、Andreessen氏もFacebookをライバルとみてはいないようだ。同社のプレスリリースで「Facebookはウェブでトップクラスの革新的な会社であり、取締役に加わることを光栄に思う。成長を続けるFacebookのチームの力になることを楽しみにしている」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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