Microsoftは米国時間5月9日、2004年に下された独占禁止法違反問題に関する決定に従わなかったとして13億9000万ドルの制裁金を命じられたことを不服とし、控訴する意向を明らかにした。
Microsoftはルクセンブルグの第一審裁判所に訴状を提出し、8億9900万ユーロ(13億9000万ドル)の制裁金を命じた2月の裁定の取り消しを求めた。
Microsoftは声明で「われわれは透明性のある判断を求め、前向きな気持ちで提訴に踏み切った。これ以上の詳細は述べられない」と述べている。
欧州委員会の制裁に問われたのは主に、プロトコルの相互運用性や特許のライセンスに関してMicrosoftが設けた価格体系の問題である。
価格体系の問題は、欧州委員会が2004年3月に下したMicrosoftの独占禁止法違反問題に関する3つの決定のうちの3項目。同社は競合企業がWindowsと連携するソフトウェアを作成できるよう、相互運用性に関する情報を完全かつ正確に提供し、プロトコル技術を「適切かつ差別のない」条件で他社にライセンスすることを求められていた。
欧州委員会は2006年、競合他社への完全かつ正確な相互運用性プロトコル情報の提供に絡む他の2つの措置に従わなかったとして、Microsoft に対し2億8050万ユーロ(4億3400万ドル)の制裁金を科した。2006年の制裁金にMicrosoftは当初異議を唱えて提訴したが、2007年秋に棄却された。
Microsoftは2004年に下された最初の決定も覆そうと試みたが、2007年秋に欧州第一審裁判所は、MicrosoftがOS市場での独占的地位を濫用したとして欧州委員会の決定を支持している。
欧州委員会は、Microsoftに膨大な額の制裁金を課したことについて、今も変わらない考えでいると述べた。
欧州委員会の広報担当Jonathan Todd氏は「制裁金を科すという決定は、法的にみて正しいと確信している」と述べた。
2月に発表された制裁金は、欧州委員会が1つの企業に対して科す金額としては過去最大のもの。独占禁止法に絡む長期間にわたる争いの中で欧州の規制当局がMicrosoftに対して科した制裁金の総額は約26億ドルに上る。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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