今週は、Wikipediaを運営するWikimedia Foundationの財務状況にとって喜ばしいニュースが続いた。
まず米国時間3月25日には、Alfred P. Sloan Foundationが今後3年間に、Wikimedia Foundationに対して300万ドルの資金を提供すると発表した。
そして27日、今度はベンチャー投資家の頂点に立つVinod Khosla氏と夫人のNeeru Khosla氏が、50万ドルを同財団に寄付すると発表した。
このところ財務に関して批判を受けているWikimedia Foundationにとって、これは嬉しい知らせだ。批判の中で特に話題となったのは、創設者のJimmy Wales氏が財団のクレジットカードを私的に流用して、個人的な支払いに充てているというものだった。同財団のエグゼクティブディレクターを務めるSue Gardner氏は、取り沙汰されている疑惑を強く否定し、Wales氏は不正な行為など何もしていないと主張している。
それでも悪いうわさをなかなか払拭できないWikimedia Foundationにとって、Khosla夫妻のような人々やAlfred P. Sloan Foundationのような組織が信頼の証として資金を提供してくれるというのは、ありがたいことに違いない。
Khosla夫妻が寄付する資金の使途については明らかになっていない。一方、Alfred P. Sloan Foundationの資金は、主に「flagged revisions(フラグ付き改訂)」と呼ばれるWikipediaの新しい機能の開発支援に使用されるという。この機能は「経験豊富な編集者が記事の品質について、目に見える形で公式に格付けできるようにし、その結果、Wikipediaのコンテンツに対する一種の『栄養成分表示』のような役割を果たす」ものになる予定だ。
また、Khosla夫妻やAlfred P. Sloan Foundationが自分たちの提供した資金に関してどれだけの発言権を有しているのかも明らかではない。
Valleywagの編集者Owen Thomas氏のように、新たな資金が導入されることで、不正な出費だと批判されているような行為に対し、出資者たちが目を光らせることができると主張する人もいる。ただ、そのような抑止効果が実際にあるかどうかは不明だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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