インテルCEO、Vistaについて不機嫌にノーコメント

文:Scott Ard(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年01月10日 12時24分

 ラスベガス発--Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は、米国時間1月7日に「2008 International CES」で、未来を展望する楽しい内容の基調講演を終えた後、報道陣の小グループとの質疑応答に若干の時間を割いた。

 Bill Gates氏が、7日の基調講演にて、1億人が「Windows Vista」を使っていることを明らかにしたため、われわれはIntelが、PCのアップグレードを加速させる上でVistaは成功したと考えているのか、あるいは、1億本のインストールという数字は、単純に市場の成長速度を反映しただけに過ぎないと感じているのかを知りたいと思った。つまりは、5年の開発を経た後に、Vistaはハードウェアの発展に、さらにその延長線上で、Intelのプロセッサに何らかの良い影響を及ぼしたのだろうか?

 この質問を尋ね終える前から、すでにOtellini氏は首を横に振りつつ、「だめだ」と語り、Vistaに関しては、いかなるコメントもしないことを示唆した。

 Otellini氏が、これまであらゆる質問に答えてきたことを考えると、この反応は、ただいつもと違うといった趣旨ではなく、IntelがVistaに関して、かなり不快な印象を持っていることを示していると、われわれは判断した。この判断が間違っているならば、Otellini氏は「われわれは確かにVistaが優れたOSであると考えている。だが、5年の開発を経たのだから、もっとPCのアップグレードに大きな需要をもたらすといった影響も期待していたのだが」という、ただ気のない返事をすることさえできなかったのはなぜであろうか。

 われわれは、引き続きOtellini氏に対して、MicrosoftがOSのアップグレードに複数年をかけているのに対し、約18カ月ごとのプロセスでアップグレード版を発表する、AppleのOS開発のアプローチを好んでいるかどうかも尋ねてみた。Otelliniは、Gates氏が前日、もう1度、モノリシック構造のWindowsアップグレードがあり得ると述べたと聞いていると語り、「それが真実であるならば」と述べてから少し間を置いて、「Microsoftには、もっとスピーディーに動き、シリコン技術の進歩に遅れないようにしてもらいたい」と答えた。

 他の話題に関して:

 Apple:Appleが来週のMacworldで発表するとうわさされる軽量ノートPCについて、どのチップが搭載されるのかと率直に尋ねられると、Otellini氏は「Appleに関しては、何も聞くべきではないと思うがね」と述べた。われわれはジョークで「Vistaに関しても聞くべきではないか?」と応じてみると、「Vistaについてもそうだ」と答えられた。

 Ultra Mobile PC(UMPC):Otellini氏は、売れ行きが控えめな小さなフォームファクターのPCであるUMPCに関しては、支持する姿勢を示した。UMPCは「まだ発展の途上にある」と、Otellini氏は語っており、失敗に終わったと評するのは時期尚早だと述べている。同氏は、初期の携帯電話、つまり、現在のような小型でどこにでもある強力なデバイスではなく、大きく高価で機能が限定されていた頃の携帯電話について言及し、「携帯電話が失敗したとは1〜2年程度では判断できなかっただろう」と述べた。

 医学市場:医療産業は「世界でITが最も入り込んでいない」業界で、それが「悪効率の原因」となっているという。Otellini氏は、状況に変化が訪れるのは、コストが「危機的」ポイントに達したときだろうと付け加えた。

 Gates氏の引退:「もう基調講演をしなくてよいという事実はうらやましい」。Otellini氏は、Gates氏が業界の「基準を定めた」と付け加えた。「仕事上の関係においてBillがいなくなるのが寂しいか?確かに。彼との付き合いも長いので」(Otellini氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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