IBMは米国時間11月12日、ビジネスインテリジェンス(BI)ソフトウェア企業のCognosを買収する計画であると発表した。買収金額は全額現金で50億ドルだという。
今回の買収は数カ月前からうわさされており、企業を買収してソフトウェアポートフォリオを充実させ、利益の伸びを向上させるというIBMの戦略をさらに継続するものである。
Cognosはカナダのオタワに拠点を置く株式公開会社であり、ビジネスリポート作成ツールやビジネスパフォーマンス管理ダッシュボードを提供している。
CognosのソフトウェアはIBMのデータウェアハウジングや情報管理といった分野の既存の製品セットを補完することになる。
IBMソフトウェア事業シニアバイスプレジデントでグループエグゼクティブであるSteve Mills氏は12日の電話会議で、Cognosの既存の製品は「(IBMの)ミドルウェアやソフトウェア製品とうまく適合する」と述べた。
Mills氏によると、Cognosの従業員と経営陣はオタワのオフィスにとどまるという。両社は今回の買収の結果としてレイオフが計画されているかどうかについてはコメントを控えている。
Cognosの社長兼最高経営責任者(CEO)であるRob Ashe氏は、同社の買収に乗り出しているそのほかの企業があるかどうかについてはコメントを避けた。ただし、今回の買収話が持ち上がるまで、同社には売却の話はなかったとAshe氏は述べている。
Ashe氏は両社の製品ラインアップについて、ほとんど「重複した製品はない」と述べている。
この取引は、IBMが「Information On Demand」戦略を拡充するための23番目の企業買収になる。IBMは、今回の買収は2008年第2四半期に完了予定で、Cognos株1株あたり58ドル、株主に対する正味価値は49億ドルになるという。
今回の動きは、BI分野ですでに始まっている企業統合を加速するものである。
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