アプリケーション会社SugarCRMの最高経営責任者(CEO)John Roberts氏によると同社は、2年以内に株式公開手続きを行う意向であるという。
SugarCRMは3年前に発足した会社で、Roberts氏の言によれば、オープンソースのビジネスモデルを高品質な顧客関係管理(CRM)アプリケーション開発に適用する「実験」として設立されたそうだ。同社は米国時間8月27日、アプリケーションスイートのメジャーアップデートとなる「Sugar 5.0」のベータをリリースした。
Roberts氏によるとSugarCRMは創業以来、ベンチャーファンドによる2600万ドルの出資よりもむしろ、主に売り上げによる資金確保で成長を維持してきたという。
同氏は「現在、たいへんな勢いでユーザーが増加している段階にある。『(株式公開を)望んでいる状態』から『(株式公開に向けて)動き出している状態』になった」と述べた。
現在125人の従業員を擁するSugarCRMについてRoberts氏は、数年のうちに年間売上1億ドルまで成長可能だとしている。
同氏は、オープンソースのビジネスモデルをアプリケーションパッケージに適用する試みはSugarCRM設立以前には例のなかったものだが、このビジネスモデルにより同社は急成長し、また高品質なソフトウェアの開発に集中できたと述べた。
部外者がソースコードを閲覧できるオープンな環境でソフトウェアエンジニアリングを行うことで、製品開発のプロセスが改善したという。
販売も容易になった。ローエンドバージョンの製品を無料で利用可能にしたため、有料製品ユーザーのほとんどは購入前から製品について知識を持っており、費用のかかるセールスやマーケティングのプロセスが必要なかったという。
Roberts氏は、他社がSugarCRMの手法を真似る可能性があると指摘した。データベース会社MySQLは株式公開の意向を表明し、ミドルウェアメーカーJBossは4億2000万ドルでRed Hatに買収された。オープンソースのハイパーバイザーソフトウェアを元に商用製品を開発しているXenSourceは先週、5億ドルでCitrixに買収された。
Roberts氏の主張によると、従来のソフトウェア企業はマーケティングとセールスに多くを費やしすぎて、研究や開発に手が回らなくなっていたという。
同氏は「わたしは、すばらしいソフトウェアを書き上げようとシリコンバレーにやってきた。しかしここへきて、企業向けソフトウェア会社のこうした問題に気づいた」と述べた。
Sugar 5.0でのアップグレードは、アプリケーションの基礎をより堅牢にして、大規模利用に適したものにすることを重点としている。
Sugar 5.0の最終バージョンは2007年9月下旬か10月上旬のリリース予定で、General Public License version 3.0でリリースされる。
新機能には各アプリケーションと密接に統合されたAjax製電子メールクライアントなどがあり、オンデマンドバージョンも刷新される。オンデマンドのインストールは、SugarCRMユーザーの40%を占めている。
新バージョンには「Module Builder」も含まれ、企業ユーザーが独自アドオンの開発や共有をビジュアルに行うことができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス