BBCによると、最近発売されたビデオゲームに関連する問題で、英国国教会がエレクトロニクス大手のソニーを訴える可能性があるという。国教会は、ソニーが、「PLAYSTATION 3」(PS3)用1人称シューティングゲーム(FPS)「RESISTANCE(レジスタンス)〜人類没落の日〜」にマンチェスター大聖堂内部の画像を適切な許諾を得ずに使用したと主張している。
このゲームは、第2次世界大戦が起こらなかったという設定の、架空の1950年代を舞台としており、侵略してきた「キメラ」と呼ばれる未知の生物と、主人公であるレンジャーのネイサン・ヘイルが戦う。ヨーロッパで唯一、キメラの侵攻に対抗し得る国力を保った英国が舞台となっている。ゲーム中には、ヘイルがマンチェスター大聖堂内部でキメラと戦うシーンが収録されている。
国教会はソニーに対し、謝罪と店頭からの現行製品撤去を求めており、応じない場合は法的措置を取るとしている。
Nigel McCullochマンチェスター主教は「グローバル企業が、写真並みのリアルな品質で神聖な大聖堂を再現して、その中で銃を使った戦闘をさせるなどということは、信じがたいことであり、また非常に無責任だ」と述べた。主教は、マンチェスターにおける銃犯罪問題をかんがみると、問題のシーンは特に不適切なものであると付け加えた。The Sunday Timesによると、国教会ではソニーの行動を「冒とく」とさえ呼んでいるという。
ソニーは声明で、国教会の懸念を非常に重く受け止めており、すぐに大聖堂当局者と連絡を取り問題について話し合いたいと述べた。声明には「RESISTANCE(レジスタンス)〜人類没落の日〜は、架空のSFゲームであり、現実に基づいたものではない。ゲーム製作に必要なすべての許諾について調査し、許可を得たものと考えている」と書いてある。
ソニーの英国担当PR責任者であるDavid Wilson氏は、The Sunday Timesのインタビューで「これはゲームの場面であって、ビデオや写真とは違う。「Doctor Who」など、ほかのSF作品と同じエンターテインメントだ」と付け加えた。Doctor Whoでは、最近放送された「The Lazarus Experiment」というエピソードのクライマックスに、サマセット州ウェルズ大聖堂での戦闘を盛り込んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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