Parallels、S・ジョブズ氏の基調講演でホッと一息--WWDC 2007で

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年06月12日 12時19分

 サンフランシスコ発--AppleのWorldwide Developers Conference(WWDC)におけるJobs氏の基調講演に集まった聴衆の多くは、「Leopard」の新機能のすべてについて聴きたいと思っていただろうが、Benjamin Rudolph氏が関心を寄せていたのは1点だけだった。

 Parallelsのコーポレートコミュニケーションズを率いるRudolph氏は、Steve Jobs氏がLeopardの新OSの「Windows-on-Mac」機能について何を話すかという1点のみに着目していた。Appleの最高経営責任者(CEO)であるJobs氏がやっと「Boot Camp」について語り始めたとき、Rudolph氏はその一字一句に注意を集中させていた。Boot CampはJobs氏がデモを披露した10機能のうちの6番目に登場した。

 結局、Jobs氏は、Boot Campに対して新しいことは発表せず、Boot Campの正式版はAppleが実施中のテストと全く同様に動作すると述べた。つまりユーザーは、「Windows」または「Mac OS」のいずれでもブート可能であるが、両方のOSの同時稼働はサポートされていない。Jobs氏は、それを実現するには、WindowsとMacのソフトウェアの同時稼働を可能とする仮想化技術を用いたParallelsなどのソフトウェアが必要であると述べた。

 Jobs氏は、「そのような他社のソフトウェアはすばらしいと思うし、可能な限り支援したいと思う」と述べた。

 基調講演に集まった聴衆であふれかえった会場に座っていたRudolph氏は、ほっと大きく肩をなでおろした。

 Rudolph氏は米国時間6月11日の基調講演後、Metreonで飲み物を片手に「Leopardには仮想化が実現されないということは、確かな情報筋から聞いていた。しかしAppleのことだからどうなるかはわからなかった」と述べた。「私の中では不安におびえている部分もあった」(Rudolph氏)

 Parallelsは先週、同社の「Parallels Desktop」ソフトウェアのアップデート版を発表した。ワシントン州レントンを拠点とする同社は、2006年6月に同製品の第1版を発売して以来、約50万本を売り上げた。第3版にはさまざまな新機能が追加されており、その多くは互換性の向上と、Macで稼働するWindowsプログラムをさらにネイティブのAppleプログラムに近いものにすることを目的としている。

 Parallelsは、Appleとは直接競合するわけではないが、強力なライバルが出現しようとしている。仮想化を専門とするVMwareは、数カ月かけて同社製品をテストしており、今夏に正式版をリリースする予定である。Jobs氏の基調講演の中で、VMwareもほぼ同様に言及されたが、先に名前を挙げられたのはParallelsの方であった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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