長年、映画業界のロビイストとして活躍したJack Valenti氏が死去したと、Los Angeles Times紙が米国時間4月26日に報じた。
同紙の記事によると、Valenti氏は3月に脳卒中を患い、メリーランド州ボルティモアにあるジョンズ・ホプキンス病院に数週間入院した後、4月24日にワシントンの自宅に戻ったという。
全米映画協会(MPAA)の会長を40年近く務めたValenti氏は、映画のレーティングシステム(G、PG、PG-13、R、NC-17)の作成者として有名になった。
しかし、シリコンバレーの技術者の多くは、Valenti氏について、技術革新の反対者であり敵だと考えていた。
1982年4月、Valenti氏は、ビデオカセットレコーダー(VCR)の使用の合法性を検討する議会の委員会で証言した。その際、同氏は次のような有名なセリフを残した。「私が申し上げたいのは、独り暮らしの女性にとってボストン絞殺魔が脅威であったように、米国の映画製作者や国民にとってVCRは脅威であるということだ」
Valenti氏の下で、MPAAは著作物に対する海賊行為で提訴した相手と積極的な法廷闘争を展開した。またMPAAは、PtoPサイトの監視や、1988年に制定されたデジタルミレニアム著作権法(DMCA)や放送フラグの支援に積極的に取り組んだ。さらにValenti氏は、強力なデジタル著作権管理(DRM)の積極的な支援者でもあった。
Valenti氏は、引退直前の2004年にCNET News.comが行ったインタビューの中で、同氏の後任が直面する最大の難問はコンテンツの保護だろうと語っていた。
「自分の所有物さえ保護できないなら、何も所有していないに等しい」(Valenti氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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