経済産業省はこのほど、電子機器に使用されるリチウムイオン電池の安全基準を設け、メーカー側に遵守を義務づけることを目的に、消費生活用製品安全法に基づく省令の改正を提言する報告書をまとめた。
報告書は同省の消費経済審議会製品安全部会が作成したもので、2005年以降に相次いだ、リチウムイオン電池の発火事故について、いずれも製造段階における電池内への金属粒子の混入を要因に挙げている。
同部会は、リチウムイオン電池の製造工程において金属粒子の発生や電極変形の原因となりうるプロセスが存在し、潜在的可能性を失くすことは難しいとしながらも、異常が確認された段階で被害の拡大を防止する適切な対応の実施を求め、情報共有など、メーカー間での連携や、トレーサビリティの徹底を推奨している。
消費生活用製品安全法では、消費生活用製品のうち、構造、材質、使用状況などから判断し、消費者の生命、または身体に対して特に危害を及ぼす恐れが多いと認められる製品を特定製品として指定し、国の定めた安全基準に適合しているかの自主確認、または第三者機関による検査を義務づけている。また、検査に合格した製品に貼付される「PSCマーク」がない製品が市場に流出した場合には、国はメーカーに対して回収などの措置を命じることができる。
同部会では、リチウムイオンを特定製品として規制対象に追加すべきだと提唱。さらに、海外にも広く流通するリチウムイオン電池の日本における安全基準を国際標準として広めるための取り組みを検討すべきだとしている。
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