「MySpace」「YouTube」「Facebook」「Second Life」。この4つのサービスのうち、どのビジネスモデルが最も成功を収めるだろうか。
ロンドンビジネススクールで現地時間3月6日に行われた経営戦略ゲームでは、MySpaceが勝利を収めた。ただし、MySpaceとYouTubeについては、小児性愛やポルノなど、違法行為や好ましくないコンテンツを標的とした訴訟や政府の規制を受けやすいとゲーム参加者たちは結論づけている。この結論は、Viacom Internationalが米国時間3月13日に著作権侵害でGoogleとYouTubeを訴えたことで、くしくも裏付けられたかたちだ。
著作権権侵害訴訟は、2つのサービスを「少なくとも大きく妨害し、場合によっては土台そのものを揺るがす」ものだと、今回のゲームを運営したボストンの調査会社、Fuld & Companyの社長を務めるLeonard Fuld氏は語る。「MySpaceもYouTubeも一見セクシーでクールだが、さまざまな攻撃にさらされやすい」と同氏は指摘する。
それでも、今回の経営戦略ゲームの中で、MySpaceチームの学生は、MySpaceが数あるソーシャルネットワーキングサイト(SNS)の中で最も有効なビジネス戦略を持っていると主張し、審査員を務める専門家たちを見事に納得させた。「MySpaceチームは、かなりの大差でこのゲームに勝った。彼らは、コンテンツこそ最大の価値だとする、非常に説得力のある主張を展開した」とFuld氏は述べている。ただし「MySpaceは経営戦略ゲームには勝ったが(中略)実際の戦いで勝利するかどうか」はまだわからないという。
YouTubeチームとFacebookチームは、ほぼ同ポイントだった。また、仮想コミュニティーのSecond Lifeチームは最下位に終わった。Fuld氏によると、YouTubeは利益を生む戦略を考える必要があり、Facebookは利用者の年齢が上がって次々と大学から卒業してしまうという「成長に伴う危機」に直面するおそれがあるという。また、Second Lifeは今のところユーザー数が比較的少なく、大規模サービスに成長することはおそらく難しいだろうとのことだ。
こうした経営戦略ゲームを単なる頭の体操にすぎないと考えるのは早計だ。なぜなら、こうしたゲームによる過去の予測のいくつかは、のちに現実となっているからだ。Fuld氏によると、たとえば2005年に行われた検索エンジンの戦略ゲームではGoogleが勝者となったが、このゲーム中でMicrosoftチームはAOLと広告契約を結び、GoogleチームはAOLとの契約を逃したことを悔やんだという。その7カ月後、MicrosoftとGoogleは、それぞれ実際にAOLにアプローチした。AOLはGoogleを選び、広告分野での協力を含め、検索エンジン事業での提携を拡大する契約を結んだ(Googleは、2006年にもMicrosoftを抑えてMySpaceと提携している)。また、過去にはAppleが「iTV」を発表すると予測した戦略ゲームもあった。その後、2007年1月になって、同社は実際に「Apple TV」(開発コード名:iTV)を発表している。ちなみに、今回の戦略ゲームの参加者はAppleがSNSに参入すると予測している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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