米航空宇宙局(NASA)は米国時間2月21日、商業宇宙飛行の実現に向けた未来のテクノロジを共同で研究するために、宇宙旅行会社Virgin Galacticとの2年契約に調印したと発表した。
この契約の一環として、Richard Branson氏の率いるVirgin Galacticは、同社が現在進めている低軌道宇宙飛行計画を支援するために、シリコンバレーにあるNASAのエイムス研究センターの科学者らと連携し、同センターの設備を利用することになる。Branson氏率いるVirgin Groupの米国子会社であるVirgin Galacticは、2008年までに同社の機体「SpaceShipTwo」に6人の乗客を乗せて地球の低地球軌道を飛行する計画だ。NASAの関係者によれば、Virgin Galacticの取り組みをNASAが具体的にどのように支援していくのかはまだ議論中だという。
さらに、NASAとVirgin Galacticは、Virginの低軌道宇宙飛行への取り組みを応用したテクノロジの開発を目指すという。NASAによると、こういったテクノロジとしては、ハイブリッド型のロケットエンジンや、音速の5倍で飛行できる極超音速機などがあるという。
Virgin Galacticの最高執行責任者(COO)であるAlex Tai氏は声明で、同社が「未来に向けた可能性を探り、極超音速機による旅行が実現することを楽しみにしている」と述べている。
NASAとVirgin Galacticは、双方ともに「今後共同作業が発生した場合に必要となるいかなる費用や資金も要求しない」ことを明記した覚え書きを交わしている。
この官民の提携関係は、ここ数年予算削減に直面してきた政府機関であるNASAが締結した中では最新のものだ。例えばNASAのエイムス研究センターは、新たな宇宙技術の開発を目的として、カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くGoogleや、オクラホマ州に拠点を置くRocketplane Kistlerなどの企業とさまざまな提携関係を結んでいる。
宇宙旅行を実現するためにNASAが新たに設置したグループSpace Portalで働くDan Coughlin氏は、「官民による今回の新しいタイプの提携は、新たな業界を育む上で役立つとともに、NASAにメリットをもたらすものだ」と述べている。なお、同氏はVirgin Galacticとの提携関係の立案者でもある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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