スペインバルセロナ発--英国通信大手のBritish Telecom(BT)は、同社のビジネスモバイルVoIPサービス向けに、「Windows Mobile 6」ベースのWi-Fi対応スマートフォンを発売すると発表した。
BTにとって、今回が初のスマートフォン市場への進出となる。これまで同社のBT Fusionサービスに対応する携帯電話は、比較的低機能な端末に限られていた。BT Fusionは、家庭または企業に取り付けられたBTルータ(ハブ)の範囲内では、モバイルネットワーク上ではなくインターネットでの通話を可能にするサービス。台湾のHigh Tech Computer(HTC)製とHewlett-Packard(HP)製の新しいスマートフォンを予定している。
BTのアプリケーションおよびデバイス担当チーフであるJerry Thompson氏は現地時間2月12日に次のように語った。「われわれは、Windows Mobile 6と一連のHTC製デバイスに大変興奮している。これでわれわれは、無線ブロードバンドとモバイルネットワークを使って顧客に手頃な集中型サービスを展開することができる」と語った。
HTCのバイスプレジデントであるFlorian Seiche氏によると、BTがリリースする最初のHTC製デバイスは、QWERTYキーボードを搭載したS620スマートフォンをBT顧客向けにカスタマイズしたものだという。
Seiche氏は、12日にバルセロナで開幕した携帯電話関連イベント「3GSM World Congress 2007」でZDNet UKのインタビューに対し、S620スマートフォンを2007年第2四半期に発売する予定だが、その前に同スマートフォンにインターネット電話機能を追加すると語った。
またBTは、HP製の「iPAQ 514 Voice Messenger」も発売することを明らかにした。この最新版iPAQは、Windows Mobile 6を搭載したUMA(Unlicensed Mobile Access)対応のデュアルモード携帯電話機だ。同機はデュアルモードなので、ユーザーのオフィスやBT Openzoneホットスポット内ではWi-Fiを使用し、それ以外の時は携帯電話接続を使用する。
BTは、数年前にBT Cellnet(現在のO2)を売却し、モバイル競争から撤退したが、無認可のWi-Fiスペクトラムを利用したある種のモバイルネットワークの展開に乗り出すようだ。BT Fusionサービスの企業向けユーザーには、BTのOpenzoneホットスポットを一定時間利用できるサービスが含まれている。
また、以前からBTがスペインに本社を置く無線LANサービス事業者FONと交渉しているとの噂もある。FONは、Wi-Fiユーザーのコミュニティーを形成していて、FONの加入者は、互いの接続ポイントを無料で利用できる。BTの家庭用ハブを使ってこうした計画が採り入れられれば、住居地域で同社のWi-Fiホットゾーンが拡大することになる。
3GSMで発表されたその他のHTC製新デバイスとしては、「S710」と「HTC Advantage」が挙げられる。S710は、スライド式キーボードを搭載したWindows Mobile 6ベースのスマートフォンで、2007年第1四半期に仏Orangeから発売される。また、HTC AdvantageはWindows Mobile 5搭載の「小型ラップトップ」で、独T-Mobileも「Ameo」という製品名でリリースする。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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