Free Software Foundation(FSF)が、3月までに「GNU General Public License(GPL)」の新バージョンを用意する計画を撤回した。しかし、大きな影響力を持つ同オープンソースライセンスのドラフト第3版についてはまもなく投入される見込みだ。
FSFはGPLの改訂に着手した際、リリース予定を最終の「ラストコール」ドラフトでは1月15日、そしてGPL 3最終版では「遅くとも2007年3月まで」とした。だが現時点では、エグゼクティブディレクターのPeter Brown氏がスケジュールの確定に消極的になっている。
Brown氏は、「まだラストコールドラフトの作業が終わっていないが、これは今後2〜3週間中に用意できると思う。完成版の投入日など、それ以外はまだ何も決まっていない」と語っている。
GPLの改訂は込み入った作業が続いており、無数の個人や法人からはさまざまな意見が出されている。GPLプロジェクトとしては恐らく最も成功し知名度も高いLinuxカーネルで中心的役割を担うLinus Torvalds氏などのプログラマーはGPL 3のデジタル著作権管理手法を強く非難しており、Hewlett-Packard(HP)も特許保護条項の詳細部分に対して抗議している。その一方で、Sun MicrosystemsはGPL 3を好意的に受け入れ、JavaとOpenSolarisの両方での採用を検討している。
ただ11月には、LinuxベンダーのNovellとMicrosoftとの間の特許および技術提携に関連して問題が浮上してきた。Microsoftはこの提携で、Novell製Linuxの顧客を特許侵害で訴えないことに同意している(この複雑な提携ではさらに、双方間の特許料支払い、共同マーケティング、そしてMicrosoftによるNovellの「SUSE Linux Enterprise Server」販売も規定されている)。
「確かに、われわれの頭はこのことでいっぱいだ」とBrown氏は語っている。
一方、FSFを設立したRichard Stallman氏は11月、最新のGPLドラフトではこのような提携が禁じられていないが、文言に修正を加えているので正式版では禁じられるようになる、と語っている。
「GPLのバージョン3の文言ではこのようなことに対する規制がないことが判明したので、Microsoftがこのタイミングで行動してきたことは良かった。今なら遅すぎることはなく、実際にGPLのバージョン3を用意するときは、このような提携は必ず禁じるようにする」とStallman氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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