ニューヨーク市が、カメラ付き携帯電話を持った一般市民に呼びかけ、犯罪撲滅に協力してもらうことを計画している。
ニューヨーク市のMichael Bloomberg市長は米国時間1月17日、2007年の所信表明「State of the City Address」を発表し、新技術を導入する計画を明らかにした。この新技術は、911番(警察/消防用緊急電話番号)のコールセンターが、携帯電話やコンピュータから送信した画像や動画を受信できるようにするものだという。
Bloomberg市長は、「犯罪行為を目撃したり、危険な状態の建物に気付いた場合は、911番に電話するか、ネットで『NYC.gov』にアクセスして、画像を送信できるようになる」と述べている。
ニューヨーク市は、この技術を将来的に311番にまで拡大するという。311番は、Bloomberg市長の任期1年目に、生活の質に関する緊急でない案件の連絡先として市長のオフィスに設けられたホットラインだ。Bloomberg市長は、ビデオと写真を受信できる新機能により、「市当局が(問題を)迅速に効率よく収集する責任」を果たせるだろうと述べた。
市長の代理人が18日に語った話では、このプログラムはまだ計画の初期段階にあるという。プロジェクトの予算も未定なら、導入する技術を提供する業者も決まっていない。
Bloomberg市長は演説の中で、同様のことを実施している市はほかにないと語った。しかし実際には、米国内の複数の911番コールセンターで、デジタル写真とビデオを受信できる技術を採用している。
コネチカット州にあるPowerPhoneは2006年8月、携帯電話から写真やビデオを911コールセンターに送信できるソフトウェアを発表した。同社の製品を採用している地区は、コロラド州ダグラス郡、アラスカ州スワード、コネチカット州トランド郡、ミシシッピ州デイド郡など6カ所以上あるという。
PowerPhoneは自社の技術を「Incident Linked Multimedia」(ILM)と名付け、ソフトウェアパッケージ「Total Response Computer Aided Call Handling」の一部に組み込んで販売している。このパッケージは、911コールセンターのオペレーターに、さまざまな緊急事態への対処を指示するソフトウェアを集めたものだ。
この写真共有ソフトウェアを使った通報の仕組みは次の通りだ。通報者は911番に電話をかけ、オペレーターにつながったら、写真を送る旨を伝える。それから通報者は電話を切り、オペレーターは通報者に写真を求めるテキストメッセージを送る。通報者はこれを受けて、写真または動画を添付して返信する。現在の携帯電話の技術では、通報者が音声通信を維持しながら911番のオペレーターに写真を送信することはできない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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