公正取引委員会事務総局は、2006年1月から12月まで、オンラインショッピングモール(電子商店街)の運営事業者、出店事業者、消費者を対象にアンケート調査およびヒアリング調査を実施し、このほど、「電子商店街等の消費者向けeコマースにおける取引実態に関する調査報告書」をまとめ、公表した。
報告書によれば、オンラインショッピングモールにおける取引は、運営事業者である楽天、ヤフー、DeNAの3社に集中しており、3社だけでオンラインショッピングモール全体の市場規模の9割超を占めているという。
また、これら上位3社の中には、出店事業者に対して取引上の立場が優位にあることを利用し、独占禁止法上の問題につながる行為を行っている運営事業者があるとしている。
独占禁止法上の問題につながる可能性が指摘されているのは、出店事業者が退店した後に顧客情報をダイレクトメール送付などの営業活動に利用することの禁止や、出店事業者にとって不当に不利益な手数料率の設定、実際には使用されないポイント分の原資まで出店事業者に負担を課すようなポイント制度の運用、運営事業者によるカード決済代行業務の利用義務付けなどの行為。
顧客情報の利用禁止は独占禁止法上の「拘束条件付取引」に、不当な手数料率の設定、過大な負担を強いるポイント制度、カード決済代行業務の利用義務付けなどは、それぞれ独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に抵触する恐れがあるとしている。
調査は、オンラインショッピングモールの運営事業者と出店事業者との間の取引および消費者向けeコマースへの新規参入や事業展開を行おうとする事業者と既存事業者との関係の実態を把握し、それを踏まえて競争政策上および独占禁止法上の考え方を明らかにすることを目的としたもの。
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