[12月14日午前10時20分更新] Microsoftは米国時間12月13日、同社初となるロボット用アプリケーション開発プラットフォームを発表した。ロボット産業への本格進出の準備を整えるとともに、ロボット開発でも中心的な役割を担うことが狙いのようだ。
「Microsoft Robotics Studio」と呼ばれるこの技術は「Windows」ベースのソフトウェアプラットフォームで、本物のロボットでもロボットのシミュレーションでも、比較的簡単にプログラミングができるよう設計されている。このソフトウェアは、iRobotの「Roomba」やLEGOの「Mindstorms NXT」シリーズの「Tribot」など、いくつかのハードウェアに対応しており、探求心あふれるロボット愛好家はこれを使って、ロボットに通信させたり、警報を出させたり、スケジュールに従って仕事をさせたりできる。
Microsoft Robotics Studioは、一般のロボット愛好家や学術機関の研究者には無償で提供されるが、このソフトウェアを利用して利益を上げようとする企業は、399ドルを支払って商用版ライセンスを取得しなければならない。
Microsoftは6月に、このソフトウェアの一般プレビュー版のダウンロード提供を開始するとともに専門の研究チームを新たに立ち上げて、ロボット工学の世界に足を踏み入れた。同時に、カーネギーメロン大学の附属研究所「Center for Innovative Robotics」に資金提供もした。Microsoftによると、6月の提供開始以降、このソフトウェアは研究者、ロボット作りを趣味にする人々、産業界の関心を集め、10万回以上ダウンロードされているという。
Microsoft Robotics Groupのゼネラルマネージャーを務めるTandy Trower氏は、「われわれは業界に、自力で課題を解決する手段を与えようとしている」と話す。
Microsoftはさらに同日、ソフトウェアやハードウェアのメーカーにこの技術への支援を促すため、サードパーティー向けのパートナープログラムも発表した。Microsoftはすでに、iRobot、fischertechnik、Parallax、RoboDynamicsなど、30の企業から支援を受けているという。
ロボット分野の専門家たちは、Microsoftは、より多くの人にロボット工学に触れる機会を提供し、趣味でロボット作りを楽しんでいた人に起業家となるチャンスを与えるだろうと話す。
たとえば、iRobotの共同創設者で会長でもあるHelen Greiner氏は、iRobotはMicrosoftの助けを借りて、Roombaのオープンインターフェースをより幅広い層の開発者集団にまで拡大できると指摘する。「Microsoft Robotics Studioのような共通の開発プラットフォームは、ロボット工学産業に火をつけ、さらに多くの開発者が新しいロボット用アプリケーションの設計に取り組むよう促すのに役立つ」と、Greiner氏は声明の中で述べている。
Microsoft Robotics Studioには、ロボット工学アプリケーションのシミュレーションを行う3Dツール、アプリケーションがさまざまな種類のハードウェアと通信できるようにするサービス指向型ランタイム、プログラマーでなくてもアイコンをドラッグ&ドロップするだけで簡単にロボットのプログラミングができる、ビジュアルなプログラミング言語が含まれている。
Microsoftはこのほか、2007年7月にアトランタのジョージア工科大学で開催されるロボットの国際競技会「RoboCup 2007」のスポンサーとなることも明らかにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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