Hewlett-Packard(HP)とソニーにとって、2006年の感謝祭はまさに感謝の日となった。
Current Analysisが米国時間12月1日に公表したデータによると、従来から米国における年末商戦の始まりを意味する感謝祭の連休に、両社はノートPC市場で大幅な売上増を記録したという。
同社はデータをまとめるにあたり、Best Buy、Circuit City、CompUSA、Radio Shack、そしてStaplesが11月25日までの1週間に販売したPCの売り上げを集計した。2005年には、年末商戦におけるPCの全売り上げの24%が感謝祭の週末(ブラックフライデーウイーク)に記録されている。
Current AnalysisのアナリストSamir Bhavnani氏によると、全体的な成長は2005年ほどではなかったものの、ノートPCの売り上げは2005年比51.6%増だったという。デスクトップ機の売り上げは7.2%減と、ここ3〜4年のノートPCのパフォーマンス向上に起因する兆候が見られるという。デスクトップPCは消費者市場では主流の座を追われたと、同氏は語っている。
HPはこの間、PCの売上高で45%のシェアを獲得し、ノートPCの小売市場を独占した。これは、2005年の同期間と比較して20ポイント増になると、Bhavnani氏は語っている。同氏によると、HPの数字は、大胆な価格設定とプロモーションの成果だという。たとえば、Best Buyが配布したブラックフライデー向けのチラシの表紙には、379ドルのHP製ノートPCが掲載された。
しかし、プレミアムノートPCブランドを自称するソニーも、これまでで最も大胆な価格設定により、他社製品との競合に積極的な姿勢を見せてきたと、Bhavnani氏は語っている。ソニーの方は、Best Buyのチラシの裏表紙に60Gバイト版PLAYSTATION 3同額になる599ドルのノートPCが掲載された。これにより、ソニー製ノートPCは2005年の5.4%から11.3%へとシェアを伸ばした。
この期間のノートPCの平均小売販売価格は708ドルで、2005年と比べて17.3%低下した。一方、デスクトップの平均価格は5.9%減の464ドルだった。だが全体で見ると、2004年から2005年にかけての方が価格の下落幅は大きかった。これを見れば、2006年の同期間における出荷増が22%で、2005年の36.2%を下回ったことの説明が付くかもしれない。
大胆な価格設定の一因には、Microsoftの「Windows Vista」の不在もあるかもしれないと、Bhavnani氏は語っている。PCベンダー各社では当初、同OSをホリデーシーズンまでに消費者に提供する見通しだったが、現在はその予定が2007年へと延期されている。
その結果、2006年のブラックフライデー向けの価格はベンダー各社が当初予定もしくは期待していたより低下したと思われる。Bhavnani氏は、「ブラックフライデーが盛り上がるのは、間違いなく価格と関係がある」と語っている。
HPとソニーが売り上げを伸ばす一方で、その影響を受けたかたちとなったのが東芝、Gateway、そしてAcerだった。これらはどこも、ブラックフライデーの週末におけるシェアを2005年から落としている。また、PCを消費者に直接販売するDellはこの調査には含まれておらず、同社の関係者にブラックフライデーの結果についてコメントを求めたが回答を得ることはできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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