MicrosoftがNovellに合計3億800万ドルを支払い、競合するNovell製品のマーケティングおよび販売促進を行っていくことになった。多様な側面を持つ企業間の「競争と協力」に、また1つ新たな事例が加わったわけだ。
先週発表された両社の5カ年提携契約は、特許、技術、ビジネスの分野を対象にしている。Novellは米国時間11月7日、本提携に関する詳細な情報を米証券取引委員会への提出文書のなかで明らかにした。
Novellの最高経営責任者(CEO)Ron Hovsepian氏によると、MicrosoftはNovellに2億4000万ドルを支払って、SUSE Linux Enterprise Serverのメンテナンスやサポートを受けられるクーポン35万件(1年当たり7万クーポン)を取得するという。これに加え、Microsoftは今後5年間にわたり、SUSE製品の独自販売およびマーケティングに9400万ドルを投じる。
Novellとの提携によって、Microsoftの仮想化管理ソフトウェアがよりいっそう普及することを期待していると、同社の法務顧問であるBrad Smith氏は話した。仮想化とは、1台のサーバ上で複数のOSを同時に動作させる技術を指す。「われわれの仮想化ソリューションを広く市場に流通させることが、このたびの提携の主な目的だ」(Smith氏)
両社が交わした契約には、特許に関する金銭の授受も含まれている。Hovsepian氏の説明によると、過去の行為に起因する特許訴訟を互いに起こさないという合意の下、MicrosoftはNovellに1億800万ドルを支払うという。
その代わり、MicrosoftがSUSEユーザーに対し特許訴訟を起こさないことを条件に、Novellは契約期間中に少なくとも4000万ドルを拠出する。Novellが支払う金額は、同社の「Linux」および「Open Enterprise Server」製品の売り上げに基づいて決定される。
「特許契約では、2つの点が問題になった。プロプライエタリコードおよびオープンソースソフトウェアの問題を解決しなければならなかったのだ。前者は正価を前払いすることで、後者は売り上げに基づく歩合制で支払いをすることで解決できた」(Smith氏)
さらにNovellは、Microsoftとの契約がGNU General Public License(GPL)に抵触することはないと述べている。GPLは、同社のLinuxカーネルが採用しているライセンス。
GPLを作成するFree Software Foundationの法律顧問であるEben Moglen氏は、NovellとMicrosoftの提携が、GPLのライセンス違反を引き起こす可能性があると指摘していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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