IDC Japanは10月25日、国内PC市場の販売チャネル別動向と今後の予測を発表した。
発表によると、国内PC市場全体が低迷する中、比較的新しいセールスチャネルである、ネットで申し込みから代金の支払いまでを完了させる販売方式の「インターネットダイレクト」と、テレセールスもしくはテレマーケティングによってベンダーが直接製品を販売する「ダイレクトインバウンド」がプラス成長を続けているという。
IDCでは、2006年第2四半期に前年同期比がマイナスとなった国内のPC出荷台数は、2007年第1四半期まで減少を続け、同年第2四半期からプラス成長に転化すると予測している。
現在、国内のPC市場は成熟期を迎えており、2つの特徴が顕在化してきている。1つは、企業向けPCのリプレースサイクルで、2006年第2四半期は、リプレイスサイクルの谷にあたり、企業市場全体が冷え込んだ。
もう1つは、PCの世帯普及率の上昇で、多くの家庭において、PCはすでに所有しているものであり、薄型テレビなどよりも購入の優先順位が低くなっている。このため、家庭市場においても出荷台数が伸び悩む結果となった。
このような状況の中で、インターネットダイレクトは、Windows Vistaの発売に合わせ、2007年第1四半期に前年同期比20%以上の成長率になるとIDCは予想する。この機に、購入者だけでなく購入検討者への満足度を高めることで、継続した成長が期待できるとしている。
また、ダイレクトインバウンドは、多くのベンダーが人員やサービスを増強し、顧客の満足度向上に努めており、短期間で成果を出すことは難しいものの、長期的に成長するチャネルであるとしている。
IDC Japanパーソナル・コンピューティング グループマネージャーの片山雅弘氏は「成熟期を迎えたPC市場では、価格訴求による大量販売だけではなく、使い方の指針を提示したソリューションの展開や、案件に応じた柔軟な提案が必要となる。いずれも成功の鍵を握るのはチャネル戦略となる。今後は、市場の動きを的確に捕え、チャネルごとに特化した戦略を展開することが不可欠」と分析する。
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