Yahooは米国時間10月17日、9月30日締めの第3四半期決算を発表した。数字は同社が事前に下方修正した予測を上回ったものの、広告の売り上げが振るわず、純利益が前年同期を大きく下回る結果となった。
Yahooの最高経営責任者(CEO)Terry Semel氏はアナリストとの電話会議で、「われわれは第3四半期の決算に決して満足していない。改善していく必要がある」と述べ、さらに「第4四半期の見通しも下方修正する」と語った。
この状況を改善し、検索ビジネスにおける収益力の高さで市場をリードするGoogleとの差を埋めるため、Yahooではグラフィック広告分野における優位性を拡大したり、成長分野であるソーシャルメディアやオンラインビデオ、モバイルといった成長分野に積極的に取り組んだりしていく計画だとSemel氏は述べた。
Semel氏はまた、Yahooの新しい検索広告プラットフォーム「Panama」を予定より3カ月遅れて、米国時間10月17日に公開すると発表した。2007年第1四半期には、広告ランキングに必要な情報など、市場でのサービス運用に必要なデザインが追加され、米国で提供される予定だと同氏は付け加えた。
広告プラットフォームの公開というニュースの影響か、Yahooの株価は時間外取引で5%以上も上昇し、1株当たり25.40ドルとなった。
Semel氏は、「われわれはグラフィック(広告)分野における市場力学の変化に積極的に対応していく」と述べ、「顧客の中には、第3四半期に広告費を減らしたところもあり」、これは顧客企業が抱える問題に起因していると付け加えた。
同社が計上した第3四半期の純利益(株式報酬費用を含む)は1億5900万ドル(1株当たり11セント)。同社が前年同期に計上した純利益は2億5400万ドル(1株当たり17セント)だった。同社は今回、8000万ドルの株式報酬費用を計上している。
Yahooの第3四半期の売り上げは、トラフィック獲得コスト(TAC)を除外すると、前年同期の9億3200万ドルより20%多い11億2000万ドルだった。TACとは、同社がコンテンツパートナーに支払う手数料を指す。
Thomson Financialが事前に集計したアナリストらの平均予測値は、売上高がTACを除外して11億4000万ドル、1株当たり利益が株式報酬費用を含め11セントになるというものだった。
Yahooは9月に第3四半期の売り上げについて、TACを除外すると、同社が予想していた11億2000万ドルから12億3000万ドルの範囲の下限にとどまる見込みであると、警告を発していた。同社は原因として自動車や金融サービス会社からの広告出稿が低迷していることを挙げていた。
Yahooは第4四半期の売り上げがTACを除外して11億4500万ドルから12億6500ドルの範囲になると予想している。一方でアナリストらはTACを除外した売り上げが13億ドルになると予想している。通年では、YahooはTACを除外した売り上げが44億7700ドルから45億9700ドルの範囲になると予想している。
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