Transmeta(本社:カリフォルニア州サンタクララ)がIntelを特許侵害で訴えている。Transmetaは、かつてノートPC市場でIntelと競い合ったチップデザイナー。
Transmetaの主張によると、Intelが同社の10件の特許を侵害し、これらの特許で守られた知的財産がIntelの販売する1000億ドル相当のチップに組み込まれているという。この主張の対象は、「Pentium Pro」や「Pentium II」を含むP6世代のチップから、最新の「Core 2 Duo」プロセッサまで多岐にわたる。
この訴訟は、デラウェア地区連邦地方裁判所に米国時間10月11日に提起された。
Transmetaの法律顧問John Horsely氏によると、これらの特許は電力効率に関するもので、Transmetaの主張によると、Intelの「Enhanced SpeedStep」と呼ばれる技術も特許を侵害しているという。Enhanced SpeedStepは基本的に、消費電力削減を目指して未使用時にチップの速度を落とす仕組み。
そのほかの特許は、命令スケジューリングやマイクロアーキテクチャ関連となっている。Transmetaの特許は、(Pentium Pro登場前の)1991年から2000年まで、10年以上の期間にわたって申請されている。Horsely氏によると、今回の訴訟は時効にかかっていないという。
Transmetaは、消費電力がチップやコンピュータのメーカーにとって大きな問題になることを力説した最初の会社だった。自社のCrusoeプロセッサなら、Intelチップと同じソフトウェアを動かしても消費電力は少なくて済み、バッテリ駆動時間が延びると主張していた。
Crusoeを投入した2000年にはソニーや富士通から早々と契約を取り付けた同社だが、自らが掲げた目標を達成することはできなかった。Crusoeのパフォーマンスは平均的なレベルにとどまり、新バージョンの投入では複数の問題を抱えた。これを受け、東芝などとの契約は消滅してしまった。
Transmetaはその後レイオフを何度か繰り返し、2005年に特許挙管理会社として生まれ変わるまでに、最高経営責任者(CEO)も3回交替した。
Transmetaは毎年数百万ドルの損失を計上し続けた。1998年1月から2005年6月の間、同社は1億3400万ドルの売上高から合計6億3500万ドルの損出を計上している。
チップの売り上げは決して良くなかったが、TransmetaのアイデアはIntelの目を覚まさせ、同社が消費電力に目を向けるようし向けた。しかし、着想を得ることと、特許を侵害することは全く別の問題だ。
Intelは、まだ訴状を見ていないとしてコメントを控えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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