米証券取引委員会(SEC)が先に実施した調査で問題が明らかになったことを受け、Dellが四半期決算報告の延期を余儀なくされ、決算報告の見直しも必要になる可能性が出てきた。
Dellは、2006年8月にSECの調査を受けていたことを明らかにし、2005年8月にSECから書簡を受け取っていたことにも言及した。Dellは米国時間2006年9月11日に声明を出し、8月4日締めとなる四半期の10-Q報告書(四半期報告書)の提出を延期すると明かした。「会計および財務報告関連の事項」に対してSECが「非公式」な調査に乗りだし、これを受けてDell取締役会の監査委員会がそれに続く調査を開始したためだという。
Dellの最高財務責任者(CFO)Jim Schneider氏は8月、この問題が財務面に重大な影響を与えることはないと述べている。しかし、監査委員会会長のDon Carty氏は11日、「問題の重要性に関してはまだ結論が出ていない」と述べている。
さらにDellは、ニューヨーク州南部地区担当検事局が、Dellの2002年以降の財務報告書式に関連する召喚書類を含む各種情報の提供を要請してきたことも明らかにした。
Sanford C. BernsteinのアナリストToni Sacconaghi氏は11日のリサーチメモに、Dellの動きは状況が8月の発表時より「不吉な様相」を帯びてきたことを示唆しており、経営陣にとっても良い兆しではない、と記している。
Sacconaghi氏は、「何よりも、今日の発表は既に揺らいでいる経営陣の信頼を一段と悪化させる可能性が高いと思う。Dellの上級幹部に対しては、財務成績悪化と、問題を深刻にとらえず有効な行動計画を立てないでいることに6四半期以上前から不満の声が上がっていた。そして今日、財務管理に関する同社の怠慢が明らかになったため、投資家はさらに苛立つ可能性が高い」と語っている。
Dellは、SECと取締役会が調査を行った結果、見越し勘定や準備金などの貸借対照表の各項目について、「前期の決算報告のなかに内容の誤りがあり、これが先の決算報告に影響を与える可能性がある」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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