Hewlett-Packard(HP)が米国時間9月8日、同社取締役会の情報漏えい事件の調査に際し、3人目となるCNET News.com記者の個人電話の通話記録を不正に入手しようとしていたことを認めた。
HP広報担当によると、同社が調査を依頼した民間調査会社の下請け業者が、Stephen Shankland記者の通話記録を入手しようとしたという。Shankland記者は、2006年1月23日の同社幹部による長期戦略を策定する会合に関する記事に協力した記者である。HP会長であるPatricia Dunn氏はこの記事を問題視し、役員に対する調査を命令した。
カリフォルニア州検事総長事務局によると、HPにおける調査の一環として、Shankland氏の父親で、ニューメキシコ州在住の元物理学者であるThomas氏の個人通話記録もなぜか狙われていたという。同検事総長事務局が明らかにしたところによると、HPが調査を依頼した会社は、Thomas Shankland氏の自宅と携帯電話の電話番号を入手し、その全通話記録の提供を要求していた。調査会社が実際に記録を入手したかどうかは不明である。
HPの調査会社がなぜThomas Shankland氏の通話記録までを入手しようとしたのかも、現在のところ不明である。
1月23日付けの記事を共同執筆したDawn Kawamoto氏およびTom Krazit氏は、9月7日にカリフォルニア州検事総長事務局から、彼らの通話記録も「プリテキスティング」と呼ばれる問題の手法を用いてアクセスされたと知らされている。プリテキスティングとは、第3者の通話記録を入手するためにその電話の所有者になりすます手法である。
HPの調査会社に個人の通話記録が狙われた記者は、The Wall Street Journal紙のPui-Wing Tam氏とGeorge Anders氏、The New York Times紙のJohn Markoff氏を含めてその他に6人いる。BusinessWeek誌は9月8日午後、同社の記者3名、Peter Burrows氏、Ben Elgin氏、およびRoger Crockett氏の通話記録も狙われていたことを同ウェブサイトで報告している。
HP広報担当のRyan Donovan氏は、Stephen Shankland記者の通話記録のプリテキスティングがいつ行われたか、自宅と携帯電話の通話記録のいずれが狙われたのか、また調査会社がその通話記録を実際に入手したかどうかはわからないと話した。
Kawamoto記者は9月7日、自身の通話記録の流出がAT&Tにより確認されたと、カリフォルニア州検事総長事務局による調査員から連絡を受けた。Krazit記者も同日、その携帯電話アカウントが同様に漏えいしていたと知らされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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