ウェブ戦略の立案に苦戦してきたソニーが、ビデオ共有サイトGrouperを6500万ドルで買収した。買収は米国時間8月23日にも正式に発表される予定。
トラフィック測定企業Hiwiseが2006年5月に発表した調査結果によると、GrouperはUGC(User Generated Contents)ビデオを提供する企業のなかで、8番目の地位につけているという。
アナリストらはかねてより、盛り上がるオンラインビデオ市場で大きな顧客層を獲得している企業を、大手エンターテインメント企業が買収するのではないかと予想してきた。エンターテインメント企業各社は、News Corp.のRupert Murdoch氏が収めた成功を手本にしたがっていると言われている。というのも、Rupert Murdoch氏は2005年、ソーシャルネットワーキングサイトのMySpaceを5億8000万ドルで買収し、既に投資金額を回収しているからだ。
Googleは8月に入り、MySpaceが擁する1億人近いメンバーにウェブ検索機能や広告を提供する9億ドル規模の契約をNews Corp.と締結している。以来、ビデオ共有サイトとして現在最大の規模を誇るYouTubeに目をつける大手エンターテインメント企業が現れるか否かが、注目を浴びていた。YouTubeの幹部らは事業の売却に興味はないと、再三述べてきたが、業界観測筋は思い思いに、同社の企業価値を算出している。YouTubeの企業価値はさまざまな業界観測筋によって、5億ドル〜10億ドルと評価されている。
ソニーは、より少ない費用でオンラインビデオ市場に参入することを狙ったようだ。Creative StrategiesのコンシューマーテクノロジーアナリストのBen Bajarin氏は、ウェブ戦略が失敗していたソニーは何かする必要があったと指摘する。
「CONNECT(デジタル音楽サイト)の業績はさんざんだった。ソニーにはiTunesに匹敵する切り札が必要だ。自前のコンテンツを活用しながら、これをうまくUGCと組み合わせていきたいと考えていたようだ」(Bajarin)
Bajarin氏によれば、Grouperのユーザーのほとんどが、ネット上で買い物をすることに抵抗のない10代〜20代の若い世代であるという。ソニーはこうした顧客に音楽や家電製品、映画などを販売していくことも可能だ。
Sony Picturesの最高経営責任者(CEO)Michael Lynton氏は声明で「Grouperコミュニティの多くの人たちがソニーのカメラやPCのVaioを使ってビデオを作成している。Gouperをソニーグループの一員として迎え入れ、この循環を完結させることは理にかなっている」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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