IBMとAMDが提携を結び、IBMの主力サーバに「Opteron」プロセッサを搭載していく計画があることがCNET News.comの取材で明らかになった。チップメーカーAMDにとってはさらなる飛躍を意味するが、競合するIntelのサーバ事業には手痛い打撃となるだろう。
両社は、8月1日にニューヨークで開催されるイベントで、パートナーシップを発表する予定だ。同イベントに詳しい消息筋によれば、AMDの最高経営責任者(CEO)であるHector Ruiz氏と、IBMのx85サーバグループのトップであるSusan Whitney氏が出席するという。
両社はこれまでにも協力関係にあった。IBMは、大手サーバメーカー4社の中では最初にOpteronを採用した企業であり、チップ製造技術もAMDと共有している。
しかし、一方で提携を強化する余地はまだ残っていた。IBMのライバル会社であるHewlett-PackardやSun MicrosystemsはOpteronに第1級の優遇措置を提供しており、長らく非協力関係にあったDellもOpteronサーバの開発計画を発表している。IBMのOpteronサーバは、一般的なビジネス市場よりは、高パフォーマンスなコンピューティング市場を対象とするものだった。
Insight64のアナリストNathan Brookwood氏は、「IBMはAMDのOpteronを最初に採用したが、両社の関係はそれほど深くなかった」と指摘している。
この件についてAMDからはコメントを得られていない。IBMの関係者もコメントを拒否した。
Opteronは、IBMも無視できないほどの大きな成功を収めている。IBMのサーバ部門を率いるBill Zeitler氏は2006年4月、HPおよびSunのOpteron製品販売が好調だったため、IBMの業績に影響が出たと発言した。IBMのブレード製品を含むAMDベースの製品が大きな利益を生み出しているのは、ユーザーがその高い性能を活用するためにメモリやアドオンを追加購入しているからだと、Zeitler氏は指摘している。
Envisioneering GroupのアナリストRichard Doherty氏も、IBMにとってAMDとのパートナーシップを強化する意義は大きいと述べる。
「われわれはだいぶ前から、もっと手を広げてほしいというIBMに対するユーザーの声に気づいていた」と、Doherty氏は言う。IBMがAMDとの提携強化をこれまで差し控えてきたのは、「Intelとの関係を損ないたくなかったからでは」と、同氏は述べている。
Intelは、Opteronで大きな成功を収めたAMDにマーケットシェアを奪われつつあり(ただし、Intelはより強力な「Xeon 5100」チップ--コードネーム「Woodcrest」--を間もなくリリースする予定だ)、経営状態も良好とは言えない。例えば、サーバ用チップを扱うDigital Enterprise Groupの2006年度第2四半期における売上高は、前年同期に記録した60億ドルから23%減少し、46億ドルに落ち込んでいる。
AMDとの提携を強化するには、8月は絶好の時期だと言える。AMDは8月15日に、新たなデュアルコアOpteronチップ「Rev F」のリリースを予定しているからだ。この次世代プロセッサには仮想化機能などが実装されていて、2007年に登場する4コアモデルへのアップグレードも簡単だという。現時点ではOpteronの採用に最も力を入れているSunは、Rev Fベースのサーバについて近いうちに発表すると見られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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