「google」という言葉は「ググる」という意味で何年も前から使われてきた。だが、この言葉はつい最近まで、辞書には載らないスラングとして扱われていた。
ここへきて、日常使用される多くの技術用語が、英語辞書に掲載されるようになっている。Merriam-Websterが米国時間7月6日に発表した辞書の最新版には、「agritourism(アグリツーリズム)」「biodiesel(バイオディーゼル)」「mouse potato(マウスポテト)」「ringtone(着信音)」「spyware(スパイウェア)」といった新しい科学技術用語が追加されている。
さらに最新版には「google」という単語も加わっており、「Googleの検索エンジンを使って(人が)World Wide Webから情報を入手すること」を意味する他動詞と定義されている。語源の説明部分には、「Googleは検索エンジンの商標」とあり、Googleの先頭文字も大文字で書かれている。だが動詞としてのgoogleは先頭の文字も小文字で表記されている。
Merriam-Websterの副編集長兼構成マネージャーThomas Pitoniak氏はCNET News.comに対し、「名詞として登録された単語が動詞として使われるようになることはよくある。しかし、googleはユニークなケースだ。検索の世界であまりに有名になったため、いまや誰もがgoogleを動詞として使用している。われわれは、実際に見聞きする言葉の用法に対応することを最大の使命としている。商標を尊重することの重要性も重々承知している。(googleを動詞として小文字表記で登録したことは)分析を重ねた結果、辞書編集の観点から下された結論だ」と述べた。
社名が新語として辞書に登録されることは、会社にとって栄誉だが、本来社名であったはずの言葉が動詞としてあまりに広く利用されるようになってしまうと、商標権の主張が難しくなる可能性もある。Bayerの商標だった「アスピリン」は、アセチルサリチル酸(acetylsalicylic acid)の略語として一般的に使われるようになったとして、1921年に商標が取り上げられている。このほかBand-Aid、Kleenex、Rollerblade、Xeroxも、同様の問題を抱えてきた。
しかし、Merriam-Websterによる「google」の定義は、具体的にGoogleの検索を指すものであって、インターネットで行うすべての検索を指すとは定義されていない。現在までのところ、Googleはこの新しい定義を受け入れている。
Google関係者は電子メールでCNET News.comのインタビューに答え、「googleを、Googleの検索エンジンを使う動詞として定義するのは適切な措置だ」と述べた。
Merriam-Websterの編集チームは、出版物、ラジオ、テレビのほか、インターネットも参照し、新しい言葉や用法を分析している。
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