欧州委員会は先週、まもなく施行される共同体特許法について、コンピュータプログラムを対象外とすること、そして欧州特許庁(EPO)が同法に基づいて特許の付与をしていくことを明らかにした。
欧州委員会は声明で、「EPOは(中略)共同体の特許に敬意を表し、新しい統一共同体法を遵守する。第52 EPC項に従って特許出願対象から除外される(コンピュータプログラムなどの)案件については、裁判で特許を無効にできることが、共同体特許法草案の第28.1項の(a)で認められている」と述べた。
欧州委員会は2005年、欧州議会がソフトウェア特許指令を否決したにもかかわらず、技術的に貢献するソフトウェアについては今後もEPOによる特許を認めていくと述べていた。今回の欧州委員会の声明は、2005年の発言と矛盾しているように思われる。2005年に否決された同指令は、ソフトウェア特許の取得範囲拡大につながるものだった。
欧州のソフトウェア特許に対して執拗に反対運動を展開してきたFoundation for a Free Information Infrastructure(FFII)は、この変化に当惑している。
FFII会長のPieter Hintjens氏は米国時間5月24日、「唖然とした。欧州委員会は、今度はEPC(European Patent Convention)の規定が実際に適用されるという解釈をするのか?それとも、わたしが何か勘違いをしているのか?」と語っている。
運動家らはこれまで、欧州委員会が共同体特許法を使ってソフトウェア特許を合法化することに懸念を表明していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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