地球は地震を自ら警告するシステムを持っているのだろうか。
局地的な磁場や地球の電離層などの物理的現象における僅かな変化が大地震の前兆となる可能性を探る、新しい研究が行われている。データはまだ最終的ではなく、懐疑的な見方をする専門家も多いが、地球のストレス症状をセンサーや磁力計(磁場の変化を計測する機器)によりリアルタイムで集め、観測し続けることが、人々の地震への備えにいつか役立つかもしれないと考える研究者もいる。
地震を発生の数時間前から数日前に予知する技術の開発に取り組んでいるQuakeFinderのプレジデントTom Bleier氏は「人命に関わるという観点から、この研究は無駄ではないと思う。地震の発生は決して止められない」と言う。「これは難しい問題だ。時間がかかるし、予兆があるかどうかを知ろうと、自分の観察結果を皆が報告しようとしている」(Bleier氏)
地震予知は、1906年4月18日のサンフランシスコ大地震の発生から100年目にあたる今週、サンフランシスコで開催される地震学会の議題のひとつになる。
地震は一定のサイクルで発生する傾向があり、ある程度の誤差の範囲で、研究者が地震発生率を正確に予測することは可能だ。例えば、カリフォルニアの湾岸地域で今後30年以内に大型地震が発生する確率は60%から70%だ。
しかし、来週の月曜日に大地震が起きるかどうかを予測するのは困難とされてきた。そんな中、期待を持てそうな研究が生まれた。それは地震直前の岩石の動きを調べるというものだ。
1989年のサンフランシスコ大地震の後、磁力計のデータを過去にさかのぼって観察したスタンフォード大学の研究者は、この地震で動いた断層に近いある地域の電磁データが、地震発生2週間前に大幅に上昇していたことに気付いた。地震発生3時間前には、電磁場の数値が通常レベルの60倍に上昇した。また地震が収まってから数週間は高い数値が観測され続けた。
NASAやSearch for Extraterrestrial Life(SETI)Instituteの研究者であるFriedemann Freund氏は、岩石に圧力をかける実験を行い、不活性な岩石は圧力を受けると通常プラスの電荷を生むことを発見した。圧力が高まるにつれてプラス電荷が増えて電場を作り、その電場が磁場を作る。
「岩石に高い圧力をかけると電池になる」と同氏は言う。
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