東芝と米Microsoftは、コンピュータやデジタル家電の分野において、双方が持つ特許を相互に利用するクロスライセンス契約を結んだ。東芝が持つ映像画像処理技術と、Microsoftの持つソフト関連技術を相互に利用することで、新製品の開発を効率化させる狙いだ。
両社によると、契約を交わしたのは4月末のことだという。Microsoftはこれまで自社の知的財産の公開には消極的だったが、2003年頃からこの方針を転換している。2004年11月には大手企業とのクロスライセンス契約を交渉中であることを明らかにしていた(関連記事)。日本のIT関連企業では富士通がMicrosoftとクロスライセンス契約を結んでいるが、大手家電メーカーでは東芝が初めてという。
両社はクロスライセンスの詳しい内容については明らかにしていないが、東芝がソニーやIBMと共同で開発している次世代半導体「CELL」などの半導体技術に関する内容は含まれていない模様だ。
今回のクロスライセンス契約により、両社は個別の製品ごとに特許利用契約を結ぶ必要がなくなり、製品の開発時間短縮やコスト削減につながる。また、特許侵害訴訟などのリスクを防げる。同様の取り組みとしては、ソニーとSamsung Electronicsが2004年12月に半導体技術や業界標準技術に関してクロスライセンスを結んだ例がある。
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