レンタルCD・DVD事業のTSUTAYAなどを手がけるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は11月8日、ウェブサイト制作関連の学校を運営するデジタルハリウッド(デジハリ)と、その関連会社であるウェブサイト制作会社のIMJ、および人材派遣会社のデジタルスケープの3社を傘下に収めたと発表した。また、レンタルCD・DVDの流通などを手がけるレントラックジャパンを完全子会社化したことも明らかにした。
デジハリの株式54.2%、IMJの株式45.1%、デジタルスケープの株式49.7%を取得する。デジハリとデジタルスケープの株式はCCCの代表取締役社長である増田宗昭氏および同氏の資産管理会社であるマスダアンドパートナーズから、IMJについては増田宗昭氏から取得する。IMJについては以前よりCCCグループが保有している株式とあわせ、55.0%を持つことになる。株式取得日はいずれも11月22日の予定で、3社の株式取得にかかる金額は約160億円だ。
なお、一部報道では3社がCCCに営業譲渡するとされていたが、IMJでは「3社ともにCCCが株式を取得することで資本提携は行うが、営業譲渡はしない」と否定している。
CCCが3社を傘下に収めるのは、デジタルコンテンツへの対応を強化するためだ。携帯電話の高機能化、映像機能を強化したPCの登場、Blu-rayやHD DVDなどの次世代光ディスクの登場、デジタルテレビ放送の普及の4点への対応が今後の鍵になるとCCCでは考えており、IMJを通じてデジタルコンテンツ関連ソリューションへの参入を図る。デジハリとデジタルスケープについては、今後不足するとみられる人材を確保するのが目的としている。
レントラックについてはすでに2004年3月にCCCがグループ会社化していたが、次世代ディスクが登場するなかでレンタルディスクを提供するレントラックの存在が今後ますます重要になると考え、CCCと経営統合する。具体的にはまずCCCからフランチャイズ事業を分割して株式会社TSUTAYAを設立し、CCCを持株会社としたうえで、CCCがレントラックと株式交換して完全子会社化する。株式交換比率はCCCの普通株式1株に対してレントラックの普通株式0.3株となる。レントラックはヘラクレスに上場しているが、2006年2月21日付けで上場廃止となる予定だ。
ヘラクレスにはIMJ、デジタルスケープも上場している。今回の株式取得は市場取引が終わった午後3時以降に発表されたが、ヘラクレスに上場している3社はいずれも株価は上がっている。8日の終値はIMJが前日比8000円高(4.44%増)の18万8000円、デジタルスケープは同2万3000円高(8.81%増)の28万4000円、レントラックは同46円高(5.05%増)の956円となった。一方でCCCの株価は下落しており、前日比10円安(0.28%減)の3500円で取引を終えた。
8日時点の時価総額はIMJが293億9500万円、デジタルスケープが81億500万円、レントラックが466億5900万円となっている。
CCCは同日、増田宗昭氏およびマスダアンドパートナーズを引受先とする105億3000万円の第三者割当増資を行うことも明らかにしている。払込期日は11月25日を予定する。
また、2007年3月期および2008年3月期の業績予想も上方修正している。2007年3月期の経常利益は当初予想の155億円から20億円増の175億円に、2008年3月期は当初予想の200億円から20億円増の220億円になる見込みだ。一方、レントラックの経営統合などに伴う連結調整勘定を期末に一括償却することから、2006年3月期の純損益は当初予想の65億円から380億円減少し、315億円の赤字に下方修正している。
最下部のCCC(株)が持株会社で、そのほかの企業が事業会社という構成だ。CCCは全体を統括する持株会社となり、新設される株式会社TSUTAYAとレントラックがTSUTAYA事業を手がける
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