従業員に夜間はPCの電源を切るよう奨励しなければ、資金とエネルギーの無駄遣いはなくならないと、Fujitsu Siemensが調査研究報告書の中で述べている。
現地時間10月24日に発表された同調査によると、シャットダウンするか休止状態にしてもかまわないPCに電源を入れておくためだけに、英国内で毎年およそ2億1700万ドル(1億2300万ポンド)が費やされているという。同調査では、こうしたエネルギーの無駄が環境へ及ぼす影響についても指摘されている。
Fujitsu Siemensが1000名の従業員に対して実施したこの調査では、約370名が退勤時にコンピュータの電源を切らないことがわかった。
Fujitsu Siemens Computersでプロダクトマーケティング部門を率いるGarry Owenは、「英国企業は、コンピュータの電源を入れっぱなしにしておくことの経済的および環境的な影響を考慮し、夜間はPCをシャットダウンするのを社則とするよう検討すべきだ」と話し、コンピュータはスタンバイ状態でも電力を消費すると付け加えた。
Fujitsu Siemensは、エネルギー節約週間(Energy Saving Week)が24日から始まったのに合わせて、今回の調査結果を発表した。エネルギー節約週間は、気候変動による深刻な影響とこれを抑制する方法に対する人々の認知を高める目的で、英国が進めている取り組みだ。
エネルギーの価格はここ数カ月で急騰し、気候変動に対する懸念も大きくなっていることから、PCの消費電力量は注目の的になっている。欧州連合は先頃、スタンバイ状態を含め、アイドル状態のコンピュータで消費されるエネルギーを削減する行動規範を制定した。
英環境大臣Elliot Morleyは2005年6月、「スタンバイモードで稼働するコンピュータやデジタルセットトップボックス、充電器といった多数の製品から、膨大な量の二酸化炭素が毎年意味もなく排出されている」と述べ、「各種製品をエネルギー効率が向上するよう設計して、環境に与えるダメージを低減することは可能である。無駄になったエネルギーは、今日では隠れたコストとして消費者に跳ね返っているが、これは歓迎できないものだ」と続けた。
以前は、使用しない間はPCの電源を落とした方がよいのか、それともスイッチを入れたままにした方がよいのか、議論が分かれていた。コンピュータの電源を定期的に切っていると、コンポーネント間のつながりが次第に弱まり、ハードディスクなどのハードウェアに障害が生じるという声が、一部にはあった。
ある見積もりでは、モニタの電源を切るだけでも、PCにおける全エネルギー消費の75%を節約できるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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