米AMDは米国時間6月28日、デラウェア州米連邦地方裁判所に米Intelに対する米国独占禁止法(シャーマン法及びクレイトン法)違反による損害賠償請求訴訟を6月27日に提起したと発表した。
この訴訟は、日本の公正取引委員会が2005年3月8日にインテルに対して行った排除勧告に続くものだ。この勧告は、インテルの行為を独占禁止法3条に違反する独占的地位の濫用による排除行為と認定し、インテルが違法な手段を使って日本のPCメーカの行動を制約したとしており、インテルはこの勧告の内容には同意しなかったものの4月1日に応諾している。
今回の米国での訴訟について、AMDのヘクター・ルイズ会長兼CEOは「マイクロプロセッサ市場では世界のどの地域かを問わずに商品選択の自由と技術革新のメリットを享受する権利が奪われている。世界中の人々はインテルによる独占的地位の濫用への代償を払わされている」と訴訟に至った背景を語った。
x86マイクロプロセッサは、WindowsやSolaris、LinuxなどのOSに対応し、Appleも2006年から使用する方針に転換している。こうした重要な市場において、全世界での販売個数の約80%、収益の約90%に上る現在のインテルの独占的なシェアは、違法行為によって成り立っており、そのためにPCの購入者は、高い価格を支払い、競争が少ないために技術革新も鈍化しているうえ、製品を選択する権利も奪われていると主張しているのだ。
訴状は、AMDの顧問弁護士代表であるオメルベニー・アンド・マイヤーズ法律事務所のチャールズ P. ダイヤモンド氏が調査した内容が48ページに渡って記されている。その内容は、インテルが世界各地において、顧客にAMDとの取引制限を強いるという違法な手法を用いて、x86マイクロプロセッサ市場における独占的地位を維持してきたことを説明。また、訴状には7種に類別できるインテルの違法行為について、その犠牲になってきた38の企業が特定されている。その概要は以下のとおり。
それぞれの内容には、具体的なインテルの違法行為の例が以下のように説明されている。
【OEMとの排他的または準排他的取引】
こうした訴状の全文(英語)や日本語の要約はサイトで公開されている。
さらに、AMDでは欧州委員会の発表によれば、現在欧州委員会は日本の公正取引委員会と連携しながら、インテルの同様の行為に対して欧州独禁法違反の観点から調査を続けているとしている。
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