KDDIは4月28日、2004年度の連結決算を発表した。固定通信事業が落ち込んだものの、携帯電話事業のauが好調で2期連続の増収増益を記録した。また、経常利益は過去最高の2863億円となった。
売上高は前年比2.6%増の2兆9200億円、営業利益は同1.4%増の2962億円、経常利益は同4.3%増の2863億円、純利益は同71.4%増の2006億円となった。
好業績に大きく貢献したのはau事業だ。同社の売上の7割、利益の9割を占めるまでに成長している。au事業の売上高は前年比14.2%増の2兆927億円、営業利益は14.0%増の2731億円となった。楽曲を1曲まるごとダウンロードできる「着うたフル」などが人気を集め、契約者数が大きく伸びたことが寄与した。2004年度の純増数は258万件で、純増シェアは50.4%となっている。
KDDI代表取締役社長の小野寺正氏 |
一方、固定通信事業は音声通話収入が減少したこと、直収型電話サービスの「メタルプラス」の営業費用がかさんだことから、減収減益となった。売上高は前年比4.3%減の5960億円、営業損益は167億円減少して3億円の赤字に転落した。
ツーカー事業はARPU(契約者1人あたりの月額利用料金)が下がったことから売上高が減少したものの、営業費用の削減などによって利益率は向上した。特に「説明書がいらないくらいカンタンなケータイ」をコンセプトに開発された端末「ツーカーS」がシニア層に好調という。「ARPUが低くても、長く使ってもらえる顧客基盤を確立する」と同社代表取締役社長の小野寺正氏は話す。売上高は前年比15.7%減の2314億円、営業利益は同12.8%増の184億円となった。
2005年度はau事業が好調を維持して増収となるものの、メタルプラスの拡販によって営業利益が減少すると見込む。売上高は前年比1.9%増の2兆9760億円、営業利益は同2.4%減の2890億円となる見通しだ。
小野寺氏は2005年度から2007年度までの注力分野についても紹介した。2005年度はメタルプラスの販売を強化し、固定事業の再構築を行う。2006年度は番号ポータビリティ制度の導入をとらえてシェア拡大を図る。2007年度は携帯電話への新規参入事業者との競争に備え、固定電話と携帯電話の融合サービスなど総合力を高めるとしている。
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