京セラは国内デジタルカメラ市場から撤退する方針を固めた。2005年夏をめどに、国内販売モデルの生産を終了する。
同社は機器事業の収益改善を図るために光学精密機器事業の再編を行っている。デジタルカメラ事業は企業間の価格競争が激化したことから収益が悪化していた。今後はより採算性の高い携帯電話向け光学モジュール事業などに事業を集中させる考えだ。
京セラのデジタルカメラブランドは「KYOCERA」と「CONTAX」の2種類がある。すでにKYOCERAブランドについては、2004年10月にCONTAXブランドに1本化する方針を掲げていた。CONTAXについても春モデルは投入せず、2004年10月に発表した「CONTAX i4R」と「CONTAX U4R」が最後のモデルとなる。
京セラは1997年にデジタルカメラ市場に参入した。2003年には高速連写が可能な薄型カメラ「KYOCERA Finecam」シリーズを投入して注目を集めたが、国内デジタルカメラシェアは2〜3%にとどまったものと見られる。2004年8月にはアップルコンピュータのiPod miniの色に合わせた5色のデジタルカメラも発売していた。
販売については、年内いっぱいは継続する考え。また、サポートについては「製品にもよるが、製品購入時から最長10年のサポートを保証する」(京セラ広報)としている。
中南米や中近東地域では今後も市場拡大が見込めることから、OEM提供を受けて引き続きデジタルカメラの販売を行っていく方針としている。
京セラの2004年第3四半期(2004年4月〜12月)の業績は、売上高が前年同期比9.4%増の8926億4200万円、営業利益は同67.9%増の813億9900万円、税引前当期純利益は同65.7%増の889億6500万円、当期純利益は同71.9%増の571億6300万円。このうち、光学精密機器事業を含む機器関連事業の売上は3998億5000万円と40%超を占めるが、事業利益は58億4200万円と税引前当期純利益のわずか1.4%となっていた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力