調査会社のGartnerが新たに発表した調査によると、カスタマーサービスをアウトソースした場合、社内で処理するのに比べて約3分の1も余計に費用がかかるという。
この調査では、社内でカスタマーサービス業務を行っている企業の上位25%と比べた場合、同業務をアウトソースしている企業では30%も割高になっていることがわかった。
Gartnerの調査ディレクターAlexa Bonaは、社内でのバックアップサポートなど、アウトソーシングにかかる目に見えない費用を企業が計算に入れていない場合が多いと述べている。
「サービスをアウトソース化したほうが効率がいい場合も多いが、しかし企業側では利益を出すことも必要だ」(Bona)
Gartnerによると、コスト削減を目的に顧客管理業務をアウトソースする企業の80%が、その目的を達成できずにいるという。また、顧客対応プロセスをアウトソースする企業の60%では、顧客を失うことや見えない費用による損失の方がアウトソース化で得られるはずコスト節減によるメリットを上回る可能性に対処しなくてはならなくなる。
「もしコスト節減だけが目的なら、アウトソースしてもうまくいかないだろう」(Bona)
全世界におけるカスタマーサービス関連のアウトソーシング市場の規模は、2004年の84億ドルから2007年には122億ドルになると予測されている。しかし、海外アウトソーシングについては、2007年でも全体の5%にしかならない。
「どの顧客対応業務を海外移転するかについて、企業はとても慎重になっている」とBonaは述べている。
「海外移転される業務は初期対応が主で、完全一貫型のカスタマーサービスではない。企業は一部のプロセスを海外に出しているものの、業務内容の向き不向きを考慮するようになってきている」(Bona)
また、ビジネスプロセス・アウトソーシング (BPO) を専門とするインドの新興企業群は、Infosys TechnologiesやTata Consultancy Services、Wipro Technologiesなどの大企業とは対照的に、今後大規模な整理統合の段階に入り、上位15社のうち70%が2005年末までに買収や合併、廃業を経験することになるとGartnerは予測している。
「規模の小さい企業の多くはベンチャーキャピタルが所有している。これらの企業は急速に成長しているが、このような速度で成長している時は、プロセスが破綻し、人員の確保も難しくなる」(Bona)
こうした問題にも関わらず、アウトソーシングに成功した企業は25〜30のコスト削減を期待できるとGartnerは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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