ソニー(出井伸之会長兼グループCEO)が1月27日に発表した04年度(05年3月期)第3四半期連結決算は、売上高が2兆1482億円(前年同期比7.5%減)、営業利益が1382億円(同13.0%減)、税引前利益が1492億円(同5.4%減)、主に米子会社の評価株引当金679億円を取り崩したことで実効税率が大幅に減少し当期純利益は1438億円(同55.3%増)となった。
主力のエレクトロニクス部門は、フラットパネルテレビ、デジタルカメラ、液晶リアプロジェクションテレビが好調だったものの、ブラウン管テレビや携帯オーディオ不振により、売上高が1兆5108億円(同0.9%減)、価格低下による原価率の悪化で営業利益が494億円(同23.3%減)と落ち込んだ。
井原勝美・執行役副社長兼グループCSO&CFOは、「フラットテレビのパネル、キーデバイスともに他社から調達していることが収益を下げる原因となった」として、収益改善のために今後は「ブラウン管テレビなみの付加価値を取り込む戦略を推進していく」方針を語った。
通期の連結業績見通しは、10月期時点での業績を修正、さらに1月20日に再修正した。テレビ、DVDレコーダー、ビデオカメラ、携帯オーディオ、パソコン「バイオ」などで想定以上の価格下落が進み収益性が下回ることや、エレクトロニクス部門の事業・競争環境の変化により、中間段階で売上高7兆3500億円、営業利益1600億円、税引前利益1700億円、当期純利益1100億円としていた予想を、売上高7兆1500億円(同5%減)、営業利益1100億円(同11%増)、税引き前利益1400億円(同3%減)に下方修正。当期純利益については、第3四半期に米国子会社における繰延税金資金の評価性引当金679億円を取り崩したことで、税金費用が減少することから1500億円(同69%増)に上方修正した。
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