Intelは米国時間26日、すべてのWi-Fi標準と互換性のあるチップコンポーネントをリリースした。これにより、同社は無線でのLAN接続を望むすべてのユーザーの要求を満たせるようになる。
既報の通り、Intelは7月よりメーカー向けに同チップコンポーネントのサンプル出荷を行っている。「Calexico 2」という開発コード名のこの部品は、正式には「Intel Pro/Wireless 2915ABG Network Connection」と呼ばれるもので、ノートPCのようなクライアント機器向けに、Wi-Fi標準の3つの規格(802.11a、802.11b、802.11g)すべてに対応することで、どの無線ネットワークでも接続できる機能を提供する。同コンポーネントは今四半期に出荷されるノートPCから採用され、また2005年前半に登場が見込まれる次世代Centrino「Sonoma」(コード名)の一部にもなる予定だ。
Intelの無線LANチップはこれまで、802.11bと802.11gの2つのネットワークに対応していた。802.11bは最大データ転送速度が11Mbpsで、802.11gと802.11aは共に54Mbpsだが、実際の転送速度はそれぞれほぼ半分程度である。802.11gは802.11bと上位互換性を持っているが、802.11aは、802.11b/gのどちらとも互換性がない。
802.11aベースの製品の市場は、いまのところは比較的規模が小さいが成長中であり、Intelでは大企業が将来に備えて今回発表した部品を採用すると予測していると、同社バイスプレジデント兼無線ネットワーク部門のゼネラルマネージャ、Jim Johnsonは述べている。同氏は、各社が802.11aネットワーク上でのサポートを強化したマルチメディアアプリケーションの開発を進めていることから、コンシューマ市場で一定のポジションを獲得する可能性があると付け加えた。
今回発表されたWi-Fiチップには、「ProSet/Wireless Software version 9.0」という新ソフトウェアが同梱され、1万個購入時の価格は27ドルとなっている。ProSet/Wireless version 9.0には、ネットワーク設定、トラブルシューティング、セキュリティ確保を簡単に行えるツールが含まれている。
なお、Atherosなどの競合他社からは、すでに802.11a/b/g全規格対応のチップが出されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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