John DoerrやMichael Moritzをパートナーとする著名なベンチャーキャピタル企業各社は、GoogleによるIPOの条件 変更で打撃を被り、この鳴り物入りのIPOで期待されていた利益を手にすることができなくなった。
Googleは、米国時間18日に株式の予想価格帯を1株あたり85〜95ドルへ引き下げるとともに、売却株式数も2570万株から1960万株に減らすことを発表した。この削減はいわゆる売却株主--この場合は、Google幹部と初期の投資家が、IPOで売却するはずだった株式数を変更したためである。
2人の創業者および最高経営責任者(CEO)を含む何人かのGoogle幹部は、自分たちが売却する株式数をほぼ半減させることに同意した。また、初期投資家のDoerrがパートナーを務めるKleiner Perkins Caufield & Byersと、同じく初期投資家のMoritをパートナーとして抱えるSequoia Capitalは、今回公開時の株式売却を完全に見送ることになった。
米証券取引委員会(SEC)へ提出した最新の書類で、Googleはこの通常では考えられない変更について説明を加えている。同書類によれば、Doerrと彼の会社は今回のIPOで210万株、またMoritzとSequoiaは240万株を売却する予定だったという。
これは、KleinerとSequoiaの両社にとって、一般にIPOから6カ月続く譲渡禁止期間が終了するまで待たなければ、株式を売却できないことを意味する。
両ベンチャーキャピタルとも、今回のIPOの一環として自社の保有するGoogle株の売却機会を逃したことになるが、あるベンチャーキャピタリストによれば、そもそもこのような初期投資家による大規模な売却は考えられないという。
歴代のIPOでは、上場する企業の幹部と初期投資家による公開時の株式売却は、あったとしてもわずかな比率に過ぎないと、このベンチャーキャピタリストは述べている。また、ほとんどの場合IPOで売却される株式は、全てその企業によって売却されるものだ
とはいえ、このベンチャーキャピタリストは、IPOでの株式売却を見送る人間が出るとしたら、それは初期投資家ではなく、会社幹部になると思っていたという。
「DoerrとMoritzが売却を見送ったという事実は興味深い」とこのベンチャーキャピタリストはコメントした。
一般に、ベンチャーキャピタリストは、自分たちが投資した企業が株式公開を行うか、売却される日を期待するものだ。そのときこそ、それまでの投資から最終的に利益を回収し、利益の一部をベンチャー資金に投じた投資家に還元できるからだ。
Doerr、Moritz、および各々のVC企業からはコメントを得られなかった。
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