グーグル、ヤフーと和解--特損で第3四半期は赤字に

Stefanie Olsen(CNET News.com)2004年08月10日 11時45分

 GoogleとYahooは米国時間9日、特許侵害など各種の訴訟を和解させるために、Googleが270万株の自社株をYahooに提供することで合意したと発表した。

 Googleは、この和解のために2億6000〜2億9000万ドルの費用を計上するが、これにより同社の第3四半期(9月30日締め)は赤字になる見込みだと述べた。Googleでは、この諸掛かり費用に関連して、同四半期に1億〜1億1500万ドルの所得税優遇措置を受けることになるとしている。

 この和解の一環として、GoogleはYahoo子会社のOverture Servicesから特許のライセンス供与を受けることにも同意しており、これによってGoogleの主な収入源である広告ビジネスを脅かしてきた2年間に及ぶ法廷闘争が終結する。商用検索の先駆者であるOvertureは、クリック単位課金や、ウェブサイトを検索結果の上位に表示させる入札システムに関する知的財産権を保有している。これらは、いずれもGoogleの広告ネットワークにとって重要な技術となっている。

 両社はまた、YahooによるGoogle株式購入権を巡る論争も決着させた。Yahooは2000年の取決めを受け、Google株370万株を購入できるワラントを所有している。Googleはこの取決めのなかにある転換に関する条項に従い、Yahooに対し2003年6月に120万株を発行しているが、Googleが米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、Yahooはこれ以上の権利を主張したという。 

 これら2つの問題を解決するため、GoogleはYahooに対してクラスAの普通株270万株を発行することに同意した。Googleが9日にSECに提出した書類によると、Yahooはこれを受けてGoogleに対する訴訟を取り下げ、Overtureの特許に対する「全額払い込み済みの永久ライセンス」を発行したという。

 かつて提携関係にあったYahooとGoogleだが、ここ数年は急速に発展するインターネット検索市場の支配権を巡って全面的に争っていた。同市場は今年約30億ドル規模に達すると見られている。

 インターネットの全盛期にウェブ検索を無視し、Googleの技術をライセンスしてこれを売り込んだことで、Yahooは図らずもGoogleがナンバー1検索プロバイダーになるのに手を貸してしまった。だが、検索関連広告の収益の可能性に気付いたYahooは攻撃に転じ、結局Googleとの提携関係を解消してしまった。ただし提携解消以後も、同社はGoogleに対する投資を引き上げていなかった。

 2003年7月に、YahooがOvertureを16億3000万ドルで買収すると、両社の争いは一気に具体化した。OvertureはGoogleにとって最大のライバルで、ウェブのインデックス化技術および処理に関連して60件以上の特許を保有していたからだった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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