Googleのまわりに漂っていた「無敵のオーラ」が、新規株式公開(IPO) が近づくにつれて薄らいできている。
インサイダーへの不正な株式配布や予測を下回る広告の需要など、新たな問題が表面化したことから、GoogleのIPOについて土壇場で態度を保留する動きが出てきている。同社のIPOは、計画通りにことが運べば、ここ数年で最大規模のものとなり、またもっとも高い株価がつくと予想されている。
「機関投資家も個人投資家も、様子見を決め込んでいる。公開前に株式を所有しても、大したメリットはないと考えているのだろう」と、ある匿名希望の投資銀行家はいう。この人物の勤め先は今回のIPOで幹事会社となっている。
IPOの詳細を知る金融関係者によると、Google(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)は、早ければ来週にも実施されるこの株式公開で、最大33億ドルを調達することになるという。だが公開の日どりが近づくなかで、同社の周辺では、このIPOを割高で望ましいものではないとする悪評が噴出している。
わずか数カ月前には、IT企業によるIPOのやり方を一変させてしまうほど強力に思われていたGoogleにとって、こうした反応の変化はまさに運命の逆転といえよう。
Googleは、IPOの計画を米国証券取引委員会(SEC)に申請した直後からウォールストリートや投資家を驚かせ続けてきた。
同社はまた、2種類の株式を発行したり、目論見書のなかに「邪悪なことはしない(Do No Evil)」ことを義務づける文言を含めるなど、IPOに至るプロセスで従来にないアプローチを採ったが、これが傲慢で異端的であるとして、一部の投資家から怒りをかった。
従来の株式公開と異なり、Googleの株式公開はダッチオークション(競り下げ方式)で行われる。これは、株式の販売プロセスを民主化し、個人投資家に同社の株主になるチャンスを拡大することを狙ったものだ。しかし、これが機関投資家を離反させることになった。 彼らは通常、初日の取引で「一儲け」できるよう、売り出し価格の決定権と先行購入権を手にしているからだ。
Googleは先頃、株式公開価格の予想範囲が1株108〜135ドルになることを明らかにしたが、仮に108ドルを付けたとしても、ここ数年で最も高い公開価格となる。
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