調査会社Gartnerがストレージ機器市場に関する第1四半期の調査結果を発表した。米国時間3日に発表されたレポートによると、ストレージ市場で鍵を握るデータストレージ機器の売上は増加する傾向にあるが、メーカー間の競争が厳しく、市場の主導権を握っているのは買い手だという。
Gartnerによれば、RAID(Redundant Arrays of Independent Disks)の世界での売上は、2004年第1四半期で31億ドルに達し、前年同期に比べ8.5%の伸びを示したという。RAID構成とは、ディスクドライブに障害が発生したときに、データ消失を防ぐように構築されるもの。
この調査ではRAIDのほかに、独自のコントローラー機器により動作する、サーバとは別立てのストレージ製品も対象としている。このタイプのストレージ機器は、EMCやHewlett-Packard(HP)、IBMなどから発売されており、大企業がメインフレームやサーバ群向けのデータ保存に利用することが多い。
米国を初めとした各国政府の、データの取り扱いに関する新たな規制がストレージ機器の需要を喚起している。これに加え、世界経済が全般的に回復基調にあり、「(ITの)投資に向けた資本予算が増加しているという確かな証拠がある」と、Gartnerは述べる。
レポートの作成者Roger Coxによれば、確かに企業はより大容量なストレージを求めて投資しているが、その際、彼らにはさまざまな選択肢が与えられているという。また同氏は、ストレージベンダーが「積極的な売り込み攻勢に出ている」と付け加えた。「コントローラーベースの外付けディスクストレージ市場は、買い手市場となっている」と、Coxはレポートで述べている。
Gartnerによると、2004年第1四半期のコントローラベースの外付けRAID市場の首位はEMCで、同社は7億3600万ドルの売上を達成し、23.6%のシェアを獲得した。2位は、売上5億3000万ドルと17%のシェアを獲得したHPだった。これにIBM(市場シェア10.4%)、日立(同9.8%)、Sun Microsystems(同6.5%)、Dell(同5.5%)、Network Appliance(同5.4%)が続く。
ベンダー各社のなかで、売上が一番伸びたのはNetwork Applianceで、DellとEMCがこれに続いた。Gartnerによれば、IBM、日立とSunは、売上が減少したという。
DellはEMCと提携して、ストレージ製品を製造/販売している。Gartnerが発表したEMCの売上額には、Dellが再販したマシンによる売上は含まれていない。同様に、SunとHPは日立の製品を再販しているが、Gartnerが発表した日立の売上額には2社が再販したマシンの数字は反映されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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